
[Intro / Spoken] 「試着してみましたけど、これ似合います?」 店員 「今タイトな感じがトレンドなんで! 二の腕とかが強調されて、メチャクチャカッコいいッス!」 「……マジっすか?」 ――その日は、それを買った。 翌日。相席屋。 「その服、ぴちぴち過ぎない?」 「ウケるんだけど!!」 俺は死んだ。 [Music In] [Verse 1] 頑張って服を選んでも 「それ似合ってないよ」 その一言で終わるなら 最初から頑張らなきゃいい 昔はマルキュー マネキン買い これで俺も都会の男 完璧なコーデを手に入れて 胸を張って帰る途中 そしたら前から歩いてきた 俺と同じ服の兄弟 目が合った瞬間わかった 俺は量産型だった 「お揃いですね」 なんて言えるわけもなく そっと道を変えて帰った おしゃれって難しい [Pre-Chorus] なで肩 猫背 貧相なシルエット 鏡を見るたび 現実を突きつけるな [Chorus] もうジョブズスタイルでいい どうせ何着ても似合わない もうジョブズスタイルでいい 選ばなければ失敗もしない 白シャツ 黒パンツ これが俺の最適解 おしゃれなんて知らない なで肩舐めんな [Verse 2] 初心者は気をつけろ 死んでもしまむらに行くな 安いからって飛び込んだら 組み合わせで大事故になるぞ 上級者なら着こなせる 俺にはその技術がない だから無難を極めるんだ 白と黒しか信用しない 店員さんに聞く勇気もない マネキンを見るのも怖い 「これください」と言える服だけ 今日も静かに選んでる [Verse 3] 毎日同じ服でいい 今日もトライアルで選ぶ 白いワイシャツ 黒いパンツ 昨日と何も変わらない クローゼットには衣装ケース 一個あれば十分だろ 着る服がないんじゃない 選ぶ服がないだけ 下着だけは別枠だ 赤紫の看板 イで始まりンで終わる あのお店のモール そこまで意識高くない そこまで捨てきれない 最後に残った人間味 下着だけは普通に選ぶ [Pre-Chorus 2] なで肩 猫背 貧相なシルエット タイトな服はもういい 二度と信じない [Chorus] もうジョブズスタイルでいい どうせ誰も見てやしない もうジョブズスタイルでいい 期待されなきゃ傷つかない 白シャツ 黒パンツ 今日も俺にはよく似合う ……似合ってることにする なで肩舐めんな [Verse 4] 自分の服はそこそこでいい 白黒だけで事足りる だけど君の買い物なら 三時間でも付き合います 「これどうかな?」 「似合うかな?」 もちろん似合うよ すごくいい 正解なんて知らないけど 愛想笑いは完備済み 試着室から出てきたら 「いいじゃん」を即答する 本音を言えば何もわからない でも地雷だけは踏みたくない 自分の服には金をかけない 君の服ならちゃんと見る おしゃれの知識はないけれど 機嫌を損ねない技術はある ……まあ 俺の服はどうせ似合わないし [Bridge] 朝はオートミール 昼は鶏ササミ 夜は野菜とサプリメント 意識高い系を演じてる 健康のためと言いながら 本当は料理が面倒なだけ ミニマリストと言いながら 物を買う金がないだけ 「無駄を削ぎ落とした」 それっぽく言ってみた 削ぎ落とされたのは たぶん俺の選択肢 [Break / Spoken] ただし靴だけは―― ドクターマーチン。 ここだけは譲れない ここだけは勝負する 白シャツ 黒パンツ なで肩 そして足元だけ ちょっと強そう これで女ぐらい 落とせる ……たぶん。 [Spoken] 「服、いつも同じじゃない?」 ――そうだよ。 「おしゃれなの?」 ――知らないよ。 「なんでその靴?」 ――最後の希望だよ。 [Final Chorus] もうジョブズスタイルでいい 頑張って笑われるくらいなら もうジョブズスタイルでいい 負けを美学と呼べばいい 白シャツ 黒パンツ 衣装ケースひとつで生きていく おしゃれじゃなくても構わない 俺は俺を騙していく もうジョブズスタイルでいい なで肩には なで肩の美学 もうジョブズスタイルでいい 似合わないなら 似合ってることにする [Outro] マルキューでは兄弟に遭遇 しまむらでは大事故を回避 トライアルで白黒を揃えて ドクターマーチンで武装した それでも似合わない? 白シャツが悪いのか 黒パンツが悪いのか 靴が悪いのか なで肩が悪いのか ……違う。 身体だ。 結論、 ジム行け。 オートミール ササミ 野菜 プロテイン そして鏡の前で 今日も現実と向き合う 筋肉が最強のファッションだ。 白シャツなんて飾りです 偉い人にはそれがわからんのです ……俺もわからん。 [Last Whisper] 「……タイトな服?」 もう騙されない。 「……筋肉?」 鍛えるしかない。 もうジョブズスタイルでいい。

