暗闇の中 鼓動だけ 小さな光が ひらく 舗装を避けて 脇を歩く 靴には 泥が残る 雨は僕を 囲むように 葉の上で 跳ねている 顔だけの人が 横を過ぎ 誰だったか わからない 問いだけが 静かに 後ろへ落ちていく 立ち止まらずに 歩いてきた 逃げてるわけじゃない ただ 遠くで 呼ぶ声が あるだけ 目立たぬように 影になる 窓は泣いて 雫を落とす 街は何も 言わないふり 光るたび 値をつけられ 祝福の形で 触れられる 「いいね」って 笑うけど 強すぎる光は 困るらしい ここはどこだろう わからないまま 歩く 消えたいわけじゃない 曲げたくもない 泥の感触が まだ 僕をつないでる 濡れた土の匂い なぜか 落ち着く 小さなものに 価値を探してきた 正しいだけで 責められて 見ないふりが 楽なら それでも僕は 目を閉じない 沼で育つ かたち 歪みか 選択か 遠くで 鐘が鳴り 色が 花からほどける 雫が 光を抱き 揺れている 磁器みたいな 優しさに囲まれ 割れたら 中は空? 見えてはいけないものを ただ 見ているだけ 答えはいらない 道は 続いてる 逃げない 抗わない ただ 歩く 泥は乾いて また 雨が降る 鼓動は 遠くなり 光は 溶けていく それでも 足音は 止まらない