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息を殺して 溝を撫でる

迷いなく美しい溝 木の色も相まって 砂漠を先達が通った 道筋のように思える 僕には、その道筋は あまりにも美しくて 版木の香り一つで 僕を追い立てる 息を殺して 溝を撫でる この砂漠を進んだ先達を想う 羅針盤はあったのだろうか? 一つ間違うことすら許さず 何を信じ進んだのだろうか? ため息を押し殺す僕に 先達は笑うだろうか? ふと一つの窪みが 葛藤を感じさせる 節の手前でもない その窪みが伝える そう、先達にも 迷いはあったのだ、と 迷っても進んだ道筋 木から伝わる葛藤 砂漠を先達は通った 恐怖と意思を持って 僕には、その道筋は あまりにも美しくて 版木の香り一つで 僕を奮い立たせる 息を殺して 溝を撫でる この砂漠を進んだ先達を想う 羅針盤は無かったのだろう 一つ間違うことすら許さず 迷いを振り切って進んだのだろう 版木にインクを塗り 紙を押し付ける これが彼らの残した 羅針盤 息を殺して 溝を撫でる この砂漠を進んだ先達を想う 羅針盤なんて手にせず 跡をなぞる人を想像もせず ただこの砂漠を進んだのだろう 度重なる墨が染み入り 見た目より少し重い これから砂漠を進む僕を 先達は笑うだろうか