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アシュランの頼み 2

「あいつの母親は人間だ。あいつは小さい頃に母親とも離されて、辛い思いもしただろう。神の国に引き取るわけにも行かず、聖地にいさせるしかできなかった」 「いっそのこと妖精にして神の国で育てたらよかったんじゃないですか?」 「そうしたいとも思ったが、当時は無理だった。ヒルデリアの機嫌が最高に悪かったからな。今は、あいつはそんなことはこれっぽっちも望んでいないから、言っても了承しないだろう。 なんとか生きていたいと思わせたいんだが……」 「クーガ様に彼女とかいないんですか?」 「いない。あいつはまるで女に興味を持たないんだ。ハロルドやラーズを虜にしたお前の魅力でなんとかしてくれ」 「いや、なんとかしてくれと言われましても……二人とは状況が違います。いっそのことガーベラにくどいてもらってください。妖精の恋人とかならいいと思いますが」 「いろいろしてはみたんだ。前にダーナに会わせたが、あいつはダーナにもその気にならなかった。アリアスの娘達でも無理だった。とにかくどんな女にもその気にならないんだ」 「隠れて彼女がいるかもしれないんじゃないですか」 「いない。断言してもいい」 「そんな人私にも無理ですよ」 「いいからやってみろ」 「何をやってみるんですかあ」 ゆりは泣きそうな声である。 「あいつの望みが変わったら、あの石の箱を満タンにしてもいい。とにかく頼む」 「石のためでも無理です。というよりも石のためにそんなことしないです」 「いいからやれ」 有無を言わせぬ感じである。 「クーガ様は不老不死なんですか?」 「それはわからん。なにせ、神と人間の間の子供はクーガが初めてなのだ。他にはいない」 「もし願いをかなえても、徐々に老化するんでしょう? すぐおじいちゃんになるわけじゃないですよね」 「せっかく若いままなんだからわざわざ年をとらなくてもいいだろう。生への執着がわけば、若いままでいたいと思うはず。お前がそう思わせろ」 「えー……」 ゆりはまるで自信がなさそうだった。 「それでいつ1000歳になるんですか?」 「今年の末だ。13の月22日」 「こ……今年……なんでもっと早く言わないんですか!」 「いろいろあるんだ。とにかくよろしく頼む」 「はあ……もし失敗しても私に怒らないでくださいよー」 「わかってるわかってる」 アシュランは手でもう去ってもいい仕草をしていた。 「あ、そうだ。ハロルドには言うなよ」 「誰かに相談させてくださいよ!」 ゆりは切れ気味である。 「わかった。だが、あいつに相談しても無理だと思う」 ゆりはため息をつきつつアシュランの間を出て行った。