
暖かい声と、触れたら好きな気持ちが溢れてしまう
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V5.5
世界は透明な靄の中 眠りのような孤独の中 けれどシーツの摩擦音が 此の静寂に楔を打ち込む 湿り気を帯びた貴方の匂い 部屋に確かな形を刻む 「ねえ」と放たれた熱い息 声の粒子が鼓膜を濡らす 互いの呼吸を吸い肌を濡らす 貴方と私の境界が融ける 指先は貴方を写すカメラ 背骨の質量と頸の腱 胸に指を這わせれば戦慄ぐ その緊迫を掌が暴く 肋骨の奥に刻まれる鼓動 貴方の震えが頭蓋に響く 意味を失った呻きが靄を掻き 部屋の空気を濃密に変える 乾いたリネンと重なり合う熱 声だけで分かってしまうよ 触れられた首筋は巨大な耳 指先や爪の冷徹なカーブ 肌に刻まれる微かな音響を 細胞のひとつひとつまで感じる 互いの呼吸をすい肌をかわす 貴方と私の境界が融ける 透明の世界の底でただひたむきに 純度の高い命の交換を 胸に指をはわせれば戦慄ぐ その緊迫を掌が暴く 肋骨の奥に刻まれる鼓動 貴方の震えが頭蓋に響く 貴方の大きな傷跡 指先で優しく愛おしく撫ぜる その凹凸さえ愛の確かな手触り わたしの中で美しく開く 世界は緩やかに靄へ収束する 耳元に残る不規則な寝息 指先にこびりついた肌の匂い 微熱が私の全部で共振する


