部屋につるす蚊帳、 夏の風物詩、 はしゃいで 出たり入ったり、 蚊が、入るからと 祖母になだめられた。 部屋のなかに もうひとつの 異空間。 こどもには刺激的。 大騒ぎして ひととき 暑さを忘れるの。 エアコンのない時代、 根気よく、 祖母はウチワで 風をおくってくれる 暑すぎて 泣いたことも。 そんなとき。 祖母の怪談バナシ、 本気で怖くて 背筋が凍った。 怖さで、 涼しくなって 暗闇から 目をそらすように 眠ったの。 蚊帳の外では うずまきの 蚊取り線香、 鼻をくすぐる。 庭の虫の声。 うだるような暑さ。 蚊帳のなかの私。 やがて祖母も ウチワ手にしたまま 眠りの世界へ。