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水鏡の中で

V5.5

【Intro】 さらさら 流れる水の音 遠ざかる 祭囃子 空にはもう 何もないのに 【Verse 1】 帰り道 橋の途中で なぜか足を止めた さっきまで咲いていた空は 何事もなかったように暗い 川沿いの灯り 赤い提灯 細く長く 水にほどけて 揺れるたび あの花火に似て もう一度 夜を染めていた 【Pre-Chorus】 消えたものほど どうしてこんなに 綺麗に見えるんだろう 手を伸ばせば崩れてしまう 光をただ見つめてた 【Chorus】 空ではもう消えたはずなのに 水の中ではまだ咲いていた あの日も あの声も あの笑顔も 揺れるほど鮮やかになる 戻れないから美しいのかな 忘れられないから光るのかな 流れてゆく夜を映しながら 記憶は静かに花を咲かす 水鏡の中で 【Verse 2】 下駄の音も少なくなって 屋台の灯りも消えてゆく ラムネの瓶 金魚の赤 風鈴の音 夕暮れの風 何でもなかった一瞬ほど 今になって胸に残る あの時もっと見ていればなんて 過ぎてから気づくことばかり 【Pre-Chorus 2】 水面に映る景色は 本物より少し滲んで だからきっと優しく見える 記憶も同じなのかもしれない 痛みさえ光に変えて 【Chorus】 空ではもう消えたはずなのに 水の中ではまだ咲いていた さよならさえ言わなかった夏が 今になって胸を染める 過ぎた日々ほど美しいのなら この寂しさもいつか変わるかな 流れてゆく時を映しながら 記憶は静かに花を咲かす 水鏡の中で 【Bridge】 水を掬えば 光は指の隙間から逃げてゆく 留めておけないから 思い出になる 同じ夜には もう二度と帰れない それでも目を閉じれば―― ひゅるり まだ空へ昇ってゆく 【Final Chorus】 空ではもう消えたはずなのに 心の中ではまだ咲いていた 大きな音も 眩しい光も 今は静かな記憶になって 戻れないから抱きしめるように 忘れないよう何度も映す 川は何も知らず流れてゆく それでも私は立ち止まった 水鏡に咲いた 最後の花火を見ていた 【Outro】 揺れて 滲んで ほどけてゆく 空にはもう 何もない それなのに―― 水の中では まだ夏だった