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転生したドルイド

ある日、ようやく、ゆりのしんしつに大人になったドルイドがやってきた。 「ドルイド……」  ゆりはドルイドがちゃんと来てくれたことが、本当にうれしいと感じていた。 「ゆり様、ずいぶん時間がたってしまってすいません」 ドルイドは申し訳なさげである。 ゆりの左目がへびの目に代わっていた。 「ドルイド……」 「ゆり様……」  ゆりはドルイドの手を握り締めていた。へびの目のゆりは、ドルイドにろうそくの火をつけてもらって、じっくりとドルイドの顔を見せてもらった。 ドルイドがこの時代にいると知った時からずいぶん時が経っていたので、今は穏やかにドルイドにせっしていた。 「ハインリヒに似てるといえば、似てるかなあ? 鼻とか」 「そうですか?」 「ハンサムよ」 「ゆり様は、あの時よりもさらに美しくなりましたよ」 「どうもありがとう」  ゆりは素直に喜んでいた。  ゆりの左目は黒目に代わり、二人はベッドに座って様々な話をした。   ドルイドの声のトーンは、昔とは違っていた。昔の方が低かったような気がする。魂が同じとはいっても、やはり以前のドルイドと何もかもが同じではない。 「ゆり様、すいません。大人になっても、毎回このようには私はこないかもしれません。こうして転生したことに、意味をもたせたいんです。勝手ですが……」 「うん。わかってるよ。私は、シスから話を聞かせてもらうから」  ドルイドは、いろんな感情がいり混じったかのような顔で笑っていた。  ゆりの部屋を出たドルイドは、庭園にいた。  今宵ははんげつである。ゆりとの時が穏やかに過ぎたことに、ドルイドは幾分ほっとしてもいた。  「月よ 月よ 愛しい人の寝顔に淡い光をあてておくれ……太陽の光の下ではこの姿を見ることはかなわない。だからせめて、月の光の下で……」  胸のあたりが熱かった。 「お前は不本意か? いや、いずれは私に賛同してくれるはず。息子たちの成長をこの目で見れるのだからな」  ドルイドは胸に手をあてて、そこに語り掛けるように言って姿を消したのだった。