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静かな回路〜ACT Ⅰ#01〜

黒板の粉が 朝にほどける 呼吸だけで 出席をとる 教室のすみで 声をしまって 「だいじょうぶ」を 胸ポケットに折りたたむ 笑い声の波 机の脚が鳴る 返事が遅れて 言葉は床に落ちたまま 語彙じゃなくて **角度(むき)**の問題 ずれてたのは 温度の行き先 君がただ一度 静かにうなずく 音のない合図が 胸に着地する 初期条件は 静かな回路 声が小さくても 灯りは点く 正解が無音でも 想いは解を持つ 手と手のあいだに 細い橋がかかる 心 × エネルギー(エネシン)= 伝わる力 いま 君へ届く 新学期の風 名前を運ぶ 呼ばれているのに 目線は窓の外 「無理に話さなくていい」その一文が 棚の奥の闇に 小さな窓をあけた 息を合わせて **拍(はく)**をひとつ 沈黙さえも 味方に変わる 近づくほどに 怖さは熱へ 震えごと 君に手渡す 初期条件は 静かな回路 言葉の数より 真ん中の温度 たしかめるように 君がうなずく それだけで 世界の明度が上がる 心 × エネルギー(エネシン)= 伝わる力 ほら 灯りが増える 正しさよりも あなたの痛点(いたみ) 触れない距離で そっと守る 伝わらなかった 昨日の僕を いま照らすのは 小さな「聞いてるよ」 (無音の一拍 呼吸の音) 初期条件は 静かな回路 声は小さくても 灯りは点く 黒板の端に 式をなぞったら 胸のメトロノームが 強くなる 心 × エネルギー(エネシン)= 変わる世界 正解が無音でも 想いは解を持つ 角度を合わせた 君のうなずきが ここから始めようって 合図になる 拍を合わせよう 胸のリズムで 細い橋を渡る音がする 回路が生きている——今、点灯。