[Intro] 遠くで街がざわめく 知らないふりはもうできない [Verse] いつもの帰り道 変わらないはずの景色 名前を呼ばれた気がして 足が止まる 振り返ればそこに あの日と同じ影 思い出したくない記憶が 胸を叩く [Pre-Chorus] 逃げる理由ならいくつもあった 目を逸らすこともできたはずだ それでもひとつだけ 残った問いがある [Chorus] 震えは消えないまま それでも足は前へ 君が傷つく未来なんて 受け入れられなかった この力の意味も 答えはまだいらない 今はただ君を 守れればよかった [Verse] 火のように揺れる空 広がっていく異変 遠い世界の中の出来事が 今目の前に 人類は未熟だと 静かに告げる存在 [Pre-Chorus] 選ばれた覚えはない 望んだわけでもない ただここに立っている 理由があるとしたら [Chorus] 君を守りたい 理由はそれだけでいい 世界の行方なんて 背負えるはずもない それでもこの距離で 君の声が聞こえるなら この身がどうなっても 立っている意味がある [Final Chorus] 君がそこにいる それだけで動ける 世界も正義も遠くて この手が届く中で この力の意味も 俺の行き先も 後からでいい 今はただ君を 守れればよかった [Outro] 世界はまだ知らない 名もない選択が すべてを変え始めたことを 【Episode Story】 [第4話・選択の瞬間] 遠くで、街がざわめいている。研究所の窓越しに見える灯りが、どこか落ち着かない揺れ方をしていた。 遺跡調査用の簡易センサーに、微弱な反応が出たのはその少し前だ。数値は小さい。緊急というほどではない。だが、見習いの彼には分かった。 あの遺跡で感じたものと、よく似ている。 「確認だけだ。様子を見るだけでいい」そう判断したのは、研究所の責任者であり、幼馴染の父でもある考古学者だった。 彼はその指示に従い、現地へ向かう準備を進めていた。その途中、携帯が短く震えた。幼馴染からのメッセージだった。 ──今日は少し遅くなるね。近道して帰るよ。お父さんにも伝えてね。── 添えられた位置情報は、センサー反応が出た地点のすぐ近くだった。偶然だ。そう思おうとしたが、足は自然と速くなっていた。 そして、現地に向かう途中空気が変わる。 静かなはずの場所に、説明のつかない気配があった。視界の先で、幼馴染が立ち止まっていた。その前に、人の形をどこか歪めた影があった。 「……オルディア」 遺跡で名乗った種族が、自然と浮かぶ。同じ存在なのか、それとも似た何かなのかは分からない。幼馴染は後ずさり、やがて走り出す。 自分の存在には、気づいていない。そのとき、遠くで街の灯りが揺れた。一箇所ではない。あちこちで、同じような異変が起き始めているのだと、直感した。胸の奥で、何かが静かに応えた。眠っていた装置が、再び動き出す感覚。変身できる。それは分かっている。だが、本当はそんなことをしたくはない。変身しても自我はあるが、この力をつかうことで自分が自分でなくなってしまうのではないかという怖さや戦うことへの抵抗もあったからだ。それでも――彼女を見捨てることなんて、できなかった。装甲が展開し、身体を包み込む。その一歩を引き返さないと、決めただけだった。世界はまだ、この出来事の意味を知らない。名もない選択が、静かに何かを変え始めていることを。装甲戦士ガルドの戦いはここから始まっていく🛡️🔥 【補足】 本作の時系列は、第2話「ガルド誕生」→ 第3話「日常の境界」→ 第4話「選択の瞬間」→ 第1話(第4話と同時刻に起きた戦闘)という流れになります。第4話で描かれるのは「戦うと決めた選択」。第1話では、その選択の先で起きた戦いが描かれています🛡️🔥 幼馴染は変身前の姿を目撃していないため、自分を救った存在が誰なのかはまだ知りません。



