
【Overloaded Opening】 (歪んだギター) (高速ドラム) (硬貨の音) (途切れる電子音) 【Singer A】 鞄(かばん)の中(なか)に 教科書(きょうかしょ) ポケットの中(なか)に 言(い)えない言葉(ことば) 【Singer B】 頭(あたま)の中(なか)には 明日(あした)の心配(しんぱい) 胸(むね)の奥(おく)には 昨日(きのう)の失敗(しっぱい) 【Duo】 全部(ぜんぶ)持(も)ったまま 走(はし)ってきた 軽(かる)くなる方法(ほうほう)も 分(わ)からないまま 厄除橋(やくよけばし)の向(む)こう 石段(いしだん)が 空(そら)へ続(つづ)いてる 【Gate Record ― 726】 神亀三年(じんきさんねん) 七百二十六年(ななひゃくにじゅうろくねん) 聖武天皇(しょうむてんのう)の 願(ねが)いを受(う)け 行基菩薩(ぎょうきぼさつ)が この地(ち)に寺(てら)を建(た)てたと伝(つた)わる 醫王山(いおうざん) 医(い)を司(つかさど)る王(おう)の山(やま) 無量寿院(むりょうじゅいん) 限(かぎ)りない命(いのち)を 願(ねが)う名前(なまえ) そして 薬王寺(やくおうじ) 傷(きず)ついた今日(きょう)を 明日(あした)へ運(はこ)ぶ場所(ばしょ) 【33 Steps ― Singer B Leads】 (三つ+三つのアクセント) 一段目(いちだんめ) 誰(だれ)かと比(くら)べた 私(わたし)を置(お)く 二段目(にだんめ) 笑(わら)えなかった 放課後(ほうかご)を置(お)く 三段目(さんだんめ) 返(かえ)せなかった メッセージを置(お)く (硬貨音) からん 厄(やく)は 一度(いちど)に消(き)えなくていい 一段(いちだん)ごとに ひとつずつ 四段目(よんだんめ) 言(い)い過(す)ぎた言葉(ことば) 五段目(ごだんめ) 言(い)えなかった 「ごめんね」 六段目(ろくだんめ) 自分(じぶん)だけを 責(せ)めた夜(よる) まだ二十七段(にじゅうななだん) でも さっきより少(すこ)し 呼吸(こきゅう)が 深(ふか)くなってる 女厄坂(おんなやくざか) 三十三段(さんじゅうさんだん) 迷(まよ)いながらでも 上(のぼ)ってゆける 【Layer Drop 1】 (電子音が消える) 【Singer B】 軽(かる)くなったのは 忘(わす)れたからじゃない ここまで運(はこ)んだ自分(じぶん)を 許(ゆる)せたから 【42 Steps ― Singer A Leads】 弘仁六年(こうにんろくねん) 八百十五年(はっぴゃくじゅうごねん) 四十二歳(よんじゅうにさい)の 弘法大師(こうぼうだいし) 自分(じぶん)ひとりの 災(わざわ)いだけでなく 生(い)きる人々(ひとびと)の 厄(やく)を除(のぞ)くため 厄除薬師如来(やくよけやくしにょらい)を 刻(きざ)んだと伝(つた)わる 男厄坂(おとこやくざか) 四十二段(よんじゅうにだん) (四つ+二つのアクセント) 七段(ななだん) 八段(はちだん) 数字(すうじ)を追(お)うより 足元(あしもと)を見(み)る 十段(じゅうだん) 十一段(じゅういちだん) 未来(みらい)を急(いそ)ぐより 今日(きょう)を踏(ふ)みしめる (硬貨音) からん 怖(こわ)かったこと 悔(くや)しかったこと 無(な)かったことには できないけれど これ以上(いじょう) 背負(せお)わなくていいものを 私(わたし)の手(て)で 選(えら)んでゆく 三十九段(さんじゅうきゅうだん) 四十段(よんじゅうだん) 四十一段(よんじゅういちだん) 四十二段(よんじゅうにだん) 最後(さいご)の一段(いちだん)で 終(お)わるのではなく 新(あたら)しい私(わたし)へ 場所(ばしょ)を空(あ)ける 【Layer Drop 2】 (シンセサイザーが消える) (ギターと鼓動だけになる) 【Firebreak ― 1188】 文治四年(ぶんじよねん) 千百八十八年(せんひゃくはちじゅうはちねん) 炎(ほのお)が 堂宇(どうう)を包(つつ)んだ 寺(てら)に伝(つた)わる 不思議(ふしぎ)な物語(ものがたり) 本尊(ほんぞん)は 光(ひかり)を放(はな)ち 玉厨子山(たまずしやま)へ 飛(と)び去(さ)ったという やがて伽藍(がらん)が 建(た)て直(なお)され 新(あたら)しい薬師如来(やくしにょらい)が 迎(むか)えられた夜(よる) 光(ひかり)は もう一度(いちど)帰(かえ)り 後(うし)ろを向(む)いて 厨子(ずし)へ入(はい)ったと伝(つた)わる 後向薬師(うしろむきやくし) 前(まえ)だけを見ることが 強(つよ)さじゃない 振(ふ)り返(かえ)ることで 守(まも)れるものもある 失(うしな)った場所(ばしょ)へ 帰(かえ)る光(ひかり)もある 【Blackout ― Kaidan】 (ギターが消える) (ドラムが消える) (鼓動だけ) 【Singer B/Single Notes】 瑜祇塔(ゆぎとう)の下(した) 階段(かいだん)を降(お)りる 右(みぎ)も 左(ひだり)も 見(み)えない闇(やみ) 壁(かべ)に触(ふ)れて 一歩(いっぽ) もう一歩(いっぽ) 【Singer A/Distant High Tone】 迷(まよ)っているのは 止(と)まっていることじゃない 光(ひかり)を探(さが)している 途中(とちゅう) 【Duo】 暗(くら)いからこそ 小(ちい)さな光(ひかり)を 見失(みうしな)わない 【61 Steps ― Alternating Vocals】 (スネアラインが戻る) 【Singer A】 一(ひと)つ 置(お)いて 【Singer B】 六(むっ)つ 進(すす)む 【Singer A】 六(むっ)つ 迷(まよ)って 【Singer B】 一(ひと)つ 決(き)める 【Duo】 六(むっ)つ+一(ひと)つの 新(あたら)しいリズム 還暦厄坂(かんれきやくざか) 六十一段(ろくじゅういちだん) 昨日(きのう)と今日(きょう) 弱(よわ)さと強(つよ)さ 涙(なみだ)と笑顔(えがお) 闇(やみ)と光(ひかり) どちらかだけを 選(えら)ばなくていい 矛盾(むじゅん)したまま 私(わたし)は私(わたし) 五十七段(ごじゅうななだん) 五十八段(ごじゅうはちだん) 五十九段(ごじゅうきゅうだん) 六十段(ろくじゅうだん) 六十一段(ろくじゅういちだん) (硬貨音) からん 【Yugi Tower】 (全楽器が一斉に戻る) 昭和三十八年(しょうわさんじゅうはちねん) 空(そら)へ伸(の)びた 瑜祇塔(ゆぎとう) 上(うえ)は四角(しかく) 下(した)は円(えん) 異(こと)なる形(かたち)が ひとつの塔(とう)になる 天(てん)と地(ち) 心(こころ)と体(からだ) 過去(かこ)と未来(みらい) 違(ちが)うものが 出会(であ)う場所(ばしょ) 百三十六段(ひゃくさんじゅうろくだん) 上(のぼ)り切(き)った先(さき)で 太平洋(たいへいよう)からの風(かぜ)が 次(つぎ)の道(みち)を 指(さ)している 阿波(あわ) 発心(ほっしん)の道場(どうじょう) その最後(さいご)は 旅(たび)の終(お)わりではなく 修行(しゅぎょう)の道(みち)へ向(む)かう 新(あたら)しい入口(いりぐち) 【Only Final Chorus】 百三十六段目(ひゃくさんじゅうろくだんめ)から 始(はじ)めよう 抱(かか)えてきた厄(やく)を ひとつずつ置(お)いて 全部(ぜんぶ)消(け)せなくてもいい 全部(ぜんぶ)忘(わす)れなくてもいい 昨日(きのう)より 少(すこ)し軽(かる)い心(こころ)で 次(つぎ)の一歩(いっぽ)を 選(えら)べたらいい 三十三段(さんじゅうさんだん)の 迷(まよ)いも 四十二段(よんじゅうにだん)の 祈(いの)りも 六十一段(ろくじゅういちだん)の 新(あたら)しい呼吸(こきゅう)も 全部(ぜんぶ) 私(わたし)を作(つく)ってる 薬王寺(やくおうじ) 厄除橋(やくよけばし)を 渡(わた)った私(わたし)は 来(き)たときと 同(おな)じ私(わたし)じゃない 強(つよ)くなれない日(ひ)も 立(た)ち止(ど)まる日(ひ)も 一段(いちだん)ぶんの勇気(ゆうき)を 今日(きょう)の私(わたし)へ 渡(わた)してゆく 百三十六段目(ひゃくさんじゅうろくだんめ)は ゴールじゃない ここから始(はじ)まる 私(わたし)の一段目(いちだんめ) 【Coin-Spinning Ending】 (硬貨が回る) (ゆっくりと速度を失う) 【Duo/Soft Unison】 少(すこ)し軽(かる)くなった 私(わたし)で 行(い)ってきます。 (硬貨が止まる) (明るいギターの倍音)

