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空白の切符

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V6

誰もいない駅 誰もいないホーム 聞こえるはずのない 足音だけが響いてる カタン…… カタン…… 線路の向こう 白い霧が揺れている そこに誰かがいる 顔は見えない なのに―― 僕を見ていることだけは分かる。 「電車がまいります」 その声は 僕の声だった。 --- 【Verse 1】 扉が開く 暗闇へ続く車内 座席には誰もいない なのに ひとつだけ 誰かが座っていた跡がある 窓ガラスに映る景色 知らない街 知らない空 知らない月 そして窓の中の僕だけが こちらを見ていない 僕が右を向けば 窓の中の僕は左を向く 僕が目を閉じれば 窓の中の僕は―― 笑った。 --- 【Pre-Chorus】 降りなくちゃ 降りなくちゃ そう思うほど 扉は遠くなる 走っても 走っても 車両の数だけ 増えていく 一両 二両 三両…… 終わらない 振り返ると さっきまで誰もいなかった席に ひとつ ひとつ 影が座っている 誰も 顔を上げない でも全員が 僕の名前を知っている。 --- 【Chorus】 月が砕け 夜空に降り 無数の星が 線路になる 深い夢の海を越えて 銀色の列車は 闇を裂く ああ―― 逃げても 逃げても 夢は僕を離さない 黒い翼のような雲が 世界をすべて 包み込む 遠い彼方で 鐘が鳴る 誰かが僕を 呼んでいる 「おいで」 その声に導かれて 僕はまた 扉を開く そこには―― 果てのない もうひとつの夜が 広がっていた。 --- 【Verse 2】 景色が変わる 駅ではない 街でもない 空に浮かぶ線路 海の上を走る列車 窓の外には 巨大な月 その表面に 無数の人影が立っている 全員がこちらを見ている 口は動いていない なのに―― 「帰れない」 そう聞こえる。 車内放送が鳴る 『次は終点です』 ほっとした瞬間 別の声が重なる。 『終点は存在しません』 --- 【Pre-Chorus 2】 扉を開ける そこには駅がある 見覚えのある駅 だけど 駅名だけが違っている そこに書かれていたのは 僕の名前。 そしてその下に 「最終乗車」 という文字。 時計を見る 針は動いていない なのに 時間だけが進んでいる。 遠くから 笑い声。 ひとつ。 ふたつ。 みっつ。 だんだん増えて 車両全体を満たしていく。 --- 【Chorus 2 — より壮大に】 星の河が 夜を満たし 月明かりが 夢を染める 銀の車輪 黒い空へ 永遠という名の線路を走る ああ―― 目覚めを求めるほど 深く沈んでいく 夜空に浮かぶ巨大な影 その瞳だけが 赤く輝く 幾千もの夢を越えて 幾億もの夜を越えて 辿り着いたその場所で 僕を待っていたものは 逃げ道ではなく 僕自身だった。 --- 【Bridge — 恐怖を最大化】 「誰?」 答えはない。 「ここはどこ?」 答えはない。 「どうすれば帰れる?」 すると―― 車内の全員が ゆっくり顔を上げた。 一斉に。 誰も喋らない。 ただ僕を見ている。 そして 車内放送が鳴る。 『お客様にお知らせします』 ノイズ。 『この列車は――』 ノイズ。 『あなたが目覚めるまで  決して停車いたしません』 ……違う。 それは放送じゃない。 僕の頭の中から 聞こえている。 耳を塞ぐ。 それでも聞こえる。 目を閉じる。 それでも見える。 夢から逃げようとする。 なのに―― 夢のほうが 僕を追いかけてくる。 --- 【Breakdown】 カタン…… カタン…… カタン…… 「次は――」 カタン…… 「次は――」 カタン…… 「次は――」 突然 すべての音が消える。 完全な静寂。 そして耳元で 小さな声。 「もう、起きたと思った?」 --- 【Final Chorus — 最大スケール】 夜空が裂けて 巨大な月が 僕を照らす 星