
雨が降っていた それだけの夜だった 帰れない理由なんて どこにもないはずだった 濡れた革靴 解けた呼吸 終電の灯が遠ざかる 今日も誰かの間に立って 丸く収めて 頭を下げた 頼まれたなら断れなくて 困った顔を見過ごせなくて 「大丈夫」は便利な言葉だ 私さえ信じていれば 何を守って 何を失った 考える暇もなく 明日はまた来る 大丈夫です いつものことです そう言えば全部 済むはずだった なのにあなたが 傘を差し出したから 雨の音が遠くなって 泣いていたことに気づいてしまった Don't look at me like that I'm supposed to be alright あと少しだけ ここにいてもいいですか 差し出された温もりにまで 返すものを探してしまう 借りを作るのが怖いんじゃない 受け取るだけの私が怖い 誰かの「ありがとう」を捨てられず 見えない場所へ仕舞い込んだ 必要とされた数だけなら 私はここにいていい気がした 肩書きのない 私の名前を あなたが何気なく 呼ぶまでは 大丈夫です もう濡れています そんな冗談さえ 上手く言えなくて あなたの傘の 小さな円の中 行き場のないこの身体を 少しだけ休めてもいいと思えた I don't know how to ask for help I don't know who I am without this だけど今夜は 帰れない私を許して 次は何を返せばいい 食事でも 何か贈ればいい そうやって理由を並べて あなたに会う日を作っていた でも もうやめよう 今日はお礼じゃない 義理でもない あなたが困っているからでもない I just wanted to see you That's all たったそれだけを言うのに ずいぶん時間がかかった 大丈夫じゃない そんな日もあると あなたの隣なら やっと言える気がした 降り止まないなら 同じ傘で帰ろう あなたまで濡らすくらいなら 今度は私が傘を持つから 誰かのためじゃなく あなたに会いたい 明日の予定に 私のための時間を書いてみる Stay with me tonight Not because I need saving ただあなたのそばに いたいと思った 雨の夜 小さなブランコ あの日帰れなかった私は あなたの傘の下で ようやく 私に帰り始めた

