
灰の雪が窓辺に降る 息の音だけが私を覚えている 名をなくした夜に手を合わせる 置いてきたものを数えることも 今はもうできません 胸の奥で解けた糸が 冷たい床に落ちました 私は強さの形を間違え 誰かの灯を風にしました 燃え残る指で紙に触れて 消えた声へ詫びています どうかこの静けさが 罰だけで終わりませんように ひび割れた祈りでも 届く場所がまだあるのなら 許しを下さい 私のためでなく 灰になった朝へ 帰れない名のために 揺り籠の底で眠れないまま 最後の呼吸をそっと解いてゆく ギターの傷も靴の砂も すべて置いてきました 刃のような言葉は錆びて 舌の上で塩になりました あの日の私を抱けるほど 優しい人にはなれなくて それでも夜明けを汚さぬように 小さな火を消しています 名前を呼ばないで もう戻れないから けれど忘れないで ここに痛みがありました あなたが眠る方角へ 白い息をひとつ置く 祈りにも満たない ただの後悔として 許しをください 赦されるためでなく 灰の雪の下でまだ温かい涙のために 揺り籠の中で空っぽの胸が 最後の呼吸を歌に変えてゆく 私が消えた後 朝が来るのなら どうかその光を誰にも傷つけさせないで 灰の雪が止みます 手紙は閉じます 息のない静寂に ただ祈りだけが残る

