とある家の系図 平らかに 西より北へ 冬は雪に 覆われた 隠れ里 その奥 雪深き 山間に 人知れず 足跡は 歴史に 刻まれる その歩みの果て 杉の門を叩き 一家 頭垂れ 栄光 絶影 以降 幾人も 名を伏せたまま 世代をへて 命 賭す 吹雪のもと 一歩 また 一歩 郷 國の守護者 一翼を担う 主君の旗のもと 北の 新たな地 風の行方に 導かれ 一家揃いて 東の都に 参勤す 鉄錆の香り 艶やかな 蝶の紋 その美は 優雅とは 程遠く 今は 戦火にて 掻き消えし ひとつの歴史 ただ 密やかに 紡がれるのみ