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光の降る場所

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V5.5

朝露をまとった葉が 小さな光を抱いている 名前も知らない鳥の声 遠く 空へ溶けてゆく 水面を渡ってきた風が 頬を静かになでていく 何も言わず ただここで 世界の音を聴いていた 木漏れ日が揺れるたび 心の奥に積もっていた 言葉にならない何かまで ほどけてゆく気がした 光が降る 静かな場所で 僕はもう一度 空を見る 流れる雲 透き通る風 それだけで胸が満ちてゆく 何も求めなくていい 何も残さなくていい ただ今 ここにある光を 両手いっぱい受けながら 川は急がず流れて 空の青さを運んでゆく 丸い石をすり抜けながら 小さな波が生まれて消える 遠くで揺れている草も 羽を休める蝶も 誰にも知られないままで 今日という日を生きている いつからだろう こんな景色を 見ないで歩いていたのは 風の匂い 水の冷たさ 忘れていたものが帰ってくる 胸の中に残っていた 小さな痛みも悲しみも 消さなくていい 水に浮かべて 遠くへ流してしまえばいい やがて雲の切れ間から まっすぐ光が降りてくる 川も 森も 僕の心も 同じ光に包まれて 透明になってゆく 静かに 静かに 新しい風が吹く 光が降る この場所で もう一度 深く息をする 世界はまだ こんなにも やさしい色をしていたんだ 水は流れ 鳥は歌い 雲はどこまでも旅をする 僕もまた 何も持たず この風の中を歩いてゆこう 朝露がひとつ 葉からこぼれて 光の中へ 消えていった