朝焼けが 世界の輪郭を そっとほどいていく 靴音だけが響く道で 昨日を少し置いてきた 言いかけたままの一言は 風の温度に溶けていく 白い息もない季節なのに 胸の奥だけ曇っていた 誰にも見えない景色ほど 静かに息をしている 掴もうとした瞬間に 形はもう変わっていて 手放したあとで初めて 美しさに気づいてしまう 揺れる光の向こうで 名前のない今日が笑う 触れた指先から 世界はそっと広がっていく 答えなんてなくてもいい 重ねた沈黙が歌になる 消えていくものじゃなく 残っていく温度を信じたい lu… la-lu-la… lu… la-lu-la… ほどけて 重なって また遠くへ lu… la-lu-la… 静かな鼓動だけ 連れていく 読み終えた手紙より 書き直した跡が好きだった 少し欠けた月明かりは 完璧よりも優しかった 帰る場所を探すより 帰りたくなる匂いを覚えてる 見えないものほど いつも隣にいた 咲くことより 散ることより 巡り続けることが 美しい 終わることは 失うことじゃなく 次の景色へ 溶けていくこと 耳を澄ませば 何もない場所にも 確かに 音は生まれている 揺れる光の向こうへ まだ知らない朝を映して 何度離れても 心はまた巡り会う 言葉より静かなものを この歌に閉じ込めたくて 誰にも触れられないまま 今日という景色を抱きしめる 風が止めば そこに残るのは 空だけだった