まだ暗い海の前で 君は静かに座ってる 海に呼ばれてるみたいで 少しだけ怖かった 夜と朝の境目で 波の音だけ聞いてる 言葉を探してみても 潮風にほどけていく 抱き寄せてもいいかな そんなことを思うけど 今は少し 海に譲ろう 君が聞いてる 波の続きを 僕も隣で 聞いていたい まだ朝は来ないまま 空は深く沈んでる 君の横顔だけが 汐陰に浮かんでる あぁ 何を言えばいいんだろう 言葉はまだ 見つからないまま 空の底に 雲が沈んでる 言えなかったことばみたいに 静かに溜まってる 砂に残る足跡も 波にほどけていく 君が何を見てるのか まだ聞けないまま 何を伝えたいのかな そんなことを思うけど 今はまだ 急がなくていい 君が見ている 空の続きを 僕も隣で 見ていたい まだ朝は来ないまま 海は暗く息をする 君の横顔だけが 遠い光みたいだった あぁ 手を伸ばしてもいいかな その気持ちだけ 胸に置いたまま 言葉が見つからないことを 焦らなくてもいい 波が返す音みたいに いつか届けばいい 呼びかけたい気持ちも 言えなかったことばも 朝になるまで ここに置いておこう 向こうの空が 少しだけ明るくなって 潮風が吹いて 君のすぐそばを突き抜けた 「髪ボサボサになった」 そう言って君が笑う あぁ よかった 君はまだ ここにいてくれる まだ暗い海の前で 言葉は見つからないまま 君の体温が 少しだけ上がったから 今はただ 君の隣で息をする