何度流れたかわからない [Verse 1] 生命(いのち)の樹(き)の下で 袂(たもと)を分(わ)かつ 葉脈(ようみゃく)が身体(からだ)を包(つつ)み 男は俄(にわか)に溶けていった [Hook] 変わりたいと願ったわけじゃない ただ、元の姿には戻れなくなった [Chorus] 背には蝶の羽 男は自身の存在を疑う 俺は俺なのか 一度溶けて再構築された身体(からだ) 美しい羽は身(み)が重くて飛べない 生命(いのち)の樹(き)の周(まわ)りでは 不格好な蝶達が目覚め始めている [Verse 2] 儀式では祀(まつ)りあげられ 美しい女を宛てがわれた 女は化粧が溶けるほど泣きながら 部屋の隅へと逃げていった 俺はどうするつもりもないと 伝えたいがなにぶん口がない [Hook] これは本当に進化なのか できない事の方が増えていった [Verse 3] 朝、水を飲もうとしてこぼす 喉の穴は風の通り道だけだ 羽を畳むと部屋の棚に当たる 当たった先が、まだ自分の肩に思える [Pre-Chorus] 大きく羽ばたいてみれば 小物が風で転がってゆく 付け根は軋(きし)み赤い血が流れた [Chorus] 背には蝶の羽 男は自身の存在を疑う 俺は俺なのか 儀式の炎の中へ飛び込む 村人は慌てて俺の腕を引いたが 簡単に捥(も)げて繊維が伸びた 悲鳴や怒号が飛び交う中 俺は俺のまま燃えていった [Outro] 樹(き)の下でまた一匹 不格好な蝶が起き上がる 口はない 羽は重い 変わりたいと願ったわけじゃない