
[Verse 1] 石の匂いが指に残る 父の背中を思い返す 白い光に目を閉じたら 知らない部屋で目を覚ました 丸い目をした人たちが 笑顔でそっと声をかける ここはどこで いつの時代? 胸の奥がかすかに揺れた 窓もないのに風があり 火もないのに部屋は明るい 見たことのないものばかり なのに少し懐かしい [Pre-Chorus] 知らない言葉のはずなのに 声は意味へほどけてゆく 誰が訳しているのかさえ 誰も気にせず笑ってる 遠い時代の人なのに なぜか気持ちは近くなる 言葉より先にあるものを みんなまだ覚えてる [Chorus] 時を越えたマイクの前で 私は今 あなたと話す 石の時代からこの場所へ 違う夜明けを結ぶ声 戸惑いながら笑い合って 知らない言葉を覚えてく 私があなたを知るたびに 何かも私を覚えてく [Verse 2] 父が教えた狩りの歌 火を囲んだ夜の星 誰がどこで獣を見たか 歌にして次へ渡してた 忘れないため声にして 生き残るため伝えてた あの頃だって私たちは 記憶を外へ置いていた 手のひらほどの黒い道具が 私の声を遠くへ運ぶ 海より遠い誰かにまで 今日の話が届くらしい 私がいなくなったあとも この声は残ってゆくのかな 誰かが続きを話すなら 少しだけ聞いてみたいな [Pre-Chorus] 違う時代に生まれても 笑うときの顔は同じ 怖いものほど触れてみて 便利なものほど頼ってく 火を怖がった人たちも きっとこんな顔をしたのかな 明るすぎるその光を 囲みながら眺めてた [Chorus] 時を越えたマイクの前で 私は今 ここにいる 遠い祖先(そせん)の記憶を抱いて 新しい声を聞いている 私が言葉を覚えるたび 何かも人を覚えてく 教えているのはどちらなの? 聞いてみたけど答えはない [Bridge] 石を打って火を起こした 火を囲んで言葉を覚えた 言葉を残して文字にして 文字を集めて知恵にした 知恵を束ねて問いを投げ 今は言葉が言葉を返す 昔の火はここにない それでも光はここにある 少し便利で 少し怖くて まだ名前さえ うまく呼べない あなたたちも この光を前に 私と同じ顔をしている [Break] 父が見たなら何と言う? 「使ってみろ」と笑うかな それとも黙って火を見つめ 一度だけ うなずくかな [Final Chorus] 時を越えたマイクの前で 私の声が歌になってく 過去と未来を結ぶ言葉 まだ見ぬ誰かの夜へゆく 石のそばでも 光のそばでも 人は誰かに声を渡す 私たちから あなたたちへ あなたたちから その先へ ひとつ目の火が夜を照らし 二つ目の火が問いを照らす 答えはまだ知らなくていい 黎明(れいめい)はいつも少し怖い [Outro] 帰りの時が来たとしても あと少しだけ話していたい 石のそばでも 光のそばでも 人はこうして 声を交わす そしてたぶん あなたたちの次にも この声を聞く 誰かがいる 夜が明けるたび 世界はまた 知らないものに 名前をつける

