
ねえ まだ眠れない? 窓辺に置いた 冷めた紅茶 指でなぞった 白いRING 今日は誰にも 返事しない 洗ったシャツを 椅子にかけたまま 靴のかかとを 揃えずに出た 駅の時計は 五分遅れていて それでも今日は 待ちたくなかった ねえ 聞こえる? 遠くで瓶が 転がる音 ねえ 怖くないよ 手をつないだら 胸の奥で 鍵が回る もう一度 深く息を吸う 朝が来る前に ここを出よう 名前のない道を 選んでいこう 笑えない日も 抱えたままで あなたの隣なら 歩けるから ねえ 振り向かないで ねえ 今だけ見てて 古い商店の 赤い傘の下 雨を避けて パンを分けた ポケットの中の 小さな切符 行き先だけが まだ白かった ねえ おかしいね 何も決めてないのに ねえ 嬉しいね 戻れないことが ほどけた靴紐 結び直して 昨日の私を 置いていく 朝が来る前に ここを出よう 知らない景色を 迎えにいこう 綺麗じゃなくて 構わないから あなたの隣で 息をしたい もしも明日 怖くなったら あの窓辺を 思い出すよ 冷めた紅茶と 白いRING 小さな決意が 残ってる 音が消えて 足音だけ ひとつ ふたつ まだ行ける 朝が来る前に ここを出よう 失くしたものも 連れていこう 泣いてしまっても 隠さなくていい あなたの隣で 始めたいから ねえ 振り向かないで ねえ このまま行こう 窓辺の紅茶は もう冷たくても 私たちはまだ 歩いていける

