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星を忘れた朝

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V5.5

まだ夜の色をした カーテンの向こうで 朝が小さく 息をしていた 眠れないまま見ていた 天井に残る影 夢のつづきなのか 僕にはわからなかった たしかに君がいたこと たしかに笑っていたこと それだけがなぜか 遠い星みたいに 胸の奥で光ってる もしもいつか 君の声を忘れても あの日の空の色だけは 消えないでいてほしい 名前のない光が 僕の心に降りてくる 触れたら消えてしまいそうで ただ静かに見つめていた さよならさえ言えないまま 朝は夜を連れてゆく 僕らが見ていた夢だけ まだここに残して 街が目を覚まして 誰かの一日が始まる 昨日と同じ信号 昨日と同じ風 なのにどうして 世界はこんなにも 新しく見えるんだろう 君がいないことさえ いつか日常になるのかな そんな未来を思うたび 少しだけ怖くなる 忘れたくない 忘れたくない そう願うほど 記憶は遠くなる だからもう 追いかけなくていい 君がくれた光は 僕の中にあるから 星を忘れた朝 空はこんなに青かった 夜が消えたんじゃない 見えなくなっただけなんだ 君もきっと同じように どこかで光っている 会えなくても 声が届かなくても 僕はもう ひとりじゃない もしもいつか 僕のことも忘れていいよ 君が笑ったあの一秒を 僕が覚えているから それだけでいい それだけで 僕らは出会えたんだ 朝の風が カーテンを揺らした 僕は目を閉じて もう一度だけ 夜空を思い出す 星はひとつも 見えなかった それなのに 胸の奥だけが 静かに光っていた