ハァーッ! 天晴れ 日本晴れ! 昭和三十九年 十月の空は 抜ける青さに万国旗が舞う 東京駅の白いホームに 唸る鉄の矢 白銀ひかり号 走る 徳利は置いて 手のひらに 銀の冠 輝くガラス 指先かけて 爪をはじけば シュパッと響く夜明けの合図 冷えた辛口 透き通る露 腹の底から沸き立つ気概! 銀のフタ取れば 日本晴れ! 二百十キロ 富士を呑む! 手のひら掲げたガラスの一合 ポンと鳴らして 大乾杯! 相模灘から茶畑抜けて 窓の景色が飛沫をあげる 汗を流した名もなき衆が 立ち呑む車窓 笑顔を交わす 重たい木桶の時代は去りて ポッケに収まる天下の逸品 車輪が刻む小気味よい拍子 コップの波紋が小さく揺れる 喉を鳴らしてグッと煽れば 五臓六腑に熱い火が点く! 青い帯巻く シリンダー! 東海道を呑み干して! 掲げろ高らかガラスの一合 天晴れ男の 大宴会! さあ さあ 西へ東へ 国を背負って 走る俺たちに 呼ばれ! 銀のフタ取れば 天下晴れ! 時代の先頭 駆け抜けて! 手のひら満たしたガラスの一合 富士の嶺までも 届けよと 天晴れ乾杯 いつまでも! ヨーッ 乾杯!


