
[Verse 1] 小さな間違いでは もう隠せない 特別席の女は すべてに気づいている 客席の男は 逃げることもなく 選ばなかった場所で 動くことなく 舞台を見ていた ならば私も 残された意志を ここで賭ける [Verse 2] 衣装を運ばない 小道具を渡さない 役を決めない 未来を渡さない 止まった舞台裏で 初めて自分のために 棚を探した 積み重なった箱の奥 角を補強された 古い台本が眠っていた [Chorus] 頁を開けば ここは戻れる場所 違う自分を見て 今の自分を 見つめ直す場所 選ばなかった夢を 一度だけ生きて 幕が閉じれば それぞれの世界へ 帰るための場所 誰かの未来を 決めるための 劇場ではなかった [Verse 3] 古い台本を抱え 舞台裏を出る 客席の男も 静かに立ち上がる 舞台の正面から 特別席を見据え 私は反対側から 照明の中へ 足を踏み入れた もう役を運ぶ者として ここに立つのではない [Final Chorus] 特別席から 女が降りる 舞台の正面には 逃げなかった男 その背後には 役を運ぶのをやめた私 問いかける代わりに 古い台本を 静かに開く 「あなたが最初に 書いた舞台を まだ覚えていますか」


