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承馬遊戯

V6

宵の灯揺らして 袖を翻し 月影追えば 今宵も華盛り 薄紅の花を 盃に浮かべ 若葉の風を 背に受け渡り 朝まで踊れ、呑め歌え 三味の音に乗りゃ 憂き世も忘れ 賽の目ひとつ 明日を決めず 朝まで踊れ、呑め歌え 柳の影には 月が差す 紅の簪 夜に咲く 賽の行方を 風に問う 浮世の行方を 酒に問う 宵の帳を そっと抜け 花街の灯りを 横目に見て 薄紅ひとひら 袖に舞い 若葉のそよ風 頬を撫で 宵の灯揺らして 袖を翻し 月影追えば 今宵も華盛り 薄紅の花を 盃に浮かべ 若葉の風を 背に受け渡り 朝まで踊れ、呑め歌え 三味の音に乗りゃ 憂き世も忘れ 賽の目ひとつ 明日を決めず 朝まで踊れ、呑め歌え 朝露残る 石畳 昨夜の名残は 胸の隅 笑って済ませりゃ それもまた 縁のひとつと 懐へ されど一線 越えしなら 若葉の風も 刃となる 薄紅の夢が 散る前に 夜明けの彼方へ 道を分かつ 何もかも 抱えてしまえば 世の中なんぞ 軽くなる されど抱く腕にも 限りあり 通さぬ門には 鍵を掛ける 花は散り 風は過ぎ 月は沈む それでも今宵 笑えりゃ上等よ 宵の灯揺らして 袖を翻し 月影追えば 今宵も華盛り 薄紅の花を 胸に忍ばせ 若葉の風と 夜明けを渡り 朝まで踊れ、呑め歌え 三味の音に乗りゃ 憂き世も忘れ 賽の目ひとつ 明日を決めず 朝まで踊れ、呑め歌え 花が散ろうが 月が欠けようが 宵の記憶は 袖に残る 笑って帰れば それでよし ――また次の夜に 逢いましょう。