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12マンガどころじゃない〜名前がない!?〜

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V6

[spoken] もう早いもので第12回 12回になるというのにこの話は いや、これ話なのか? 歌か〜 まあどっちでもいいや ​いまだに登場人物に名前がない キャラも増えて、混乱を極めてきた そういう主人公のボクにもまだ名前がない ハハハ 笑うしかないんだが ​そんなわけで、この歌の作者が 急にキャラに名前をつけ始めた 新入部員は1年の小春ちゃん いつもの君は2年・美咲(みさき) あとのギャルたちの名前はよく知らない ただボクはまだ名前で呼んだことはない ​美咲(みさき)ちゃんかー、呼んでみたいなー ……いや、やっぱりいーい 前は君としか言えなかったのに 今は「副部長」と呼んでいる、それで十分 彼女もボクを「部長」と呼ぶ 前はオタクくん呼びだったから、出世したもんだ ​しかし、そんなボクにも 名前で呼べる後輩ができた 小春ちゃん、だ ​先生がまた口を出してきた 「小春ちゃんが入ったことだし、同人誌作ったら?」 えー、マンガかくの? ボクらが? でも、マンガ研究会だしな……かくか! ​「小春ちゃん、マンガのかき方教えて」 「先輩、そんな簡単に言わないでくださいよ」 「そうだなー、じゃー一緒にかこう!」 ​最初から分かっていたことだけど ボクに絵心(えごころ)だけは、なかった トホホ…… ただ、話の作り方や紙面の構成には どんどん欲が出てきちゃって ​「小春ちゃん、こここうしたほうがいい」 (はーい) 「小春ちゃん、このキャラ、ここでこう言わせたら面白い」 (はーい) 「小春ちゃん、いや、このコマいらないんじゃない?」 (はーい) ​「先輩、かいたことないのに……びっくりするくらい的確ですね」 「かかないけど、読むのは得意だから!」 ハハハ 横から後輩ギャルの声 ​「部長ー、小春ちゃんばかり何回呼んでるんですか」 「そんなに呼んでた?」 「私なんか名前呼ばれたこともないですよー!」 「ごめん、そーいや名前知らない。ハハ」 「莉奈です!」 「ごめん、莉奈」 「……呼び捨て?」 「うん? 莉奈ちゃん」 「ふん! あ、副部長来た! 美咲先輩!」 ​「小春ちゃん、このコマこうしよう」 「さすが先輩、気づかなかったです!」 ​「ほら副部長、ずっとあんな感じなんですよ  なんだか二人の世界みたいで、やな感じ」 「へえ……でも楽しそうで何よりじゃない  ちょっと私にも読ませてよ」 ​ネームの下がきを読み終えた君は すっと冷めた目でこう言った ​「ここ、なんでこのキャラこの名前なの?」 「えっ」 「やっぱりキャラの名前って重要じゃない?  名前って大事よね、ね、小春ちゃん」 「はい、副部長……いえ、美咲先輩」 ​「名前と言えば副部長! 部長ったら私の名前知らなかったんですよ」 「えー、そーなんだー。あ、部長、私の名前は知ってるよね?」 「えー、知ってるよ」 「あれ、そーいや私、部長の名前知らない」 「あれれ、私も知らないかも」 「先輩、名前教えてください!」 ​(主人公):うわ〜どうしよ〜! ​ボクたちを見つめて先生が笑う 「……面白くなってきたわね」 ​名前がない! 困ったぞ! やっぱり、今回もマンガどころじゃない ​マンガどころじゃない! マンガどころじゃない!