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薄い光

窓がひらいている 理由は たぶん ない 風が入ってきて 何も持たずに 出ていく テーブルの端に 読みかけの紙 意味を探した跡だけが 残っている 昨日のことは 少し大きすぎて 耳の奥で 形を失った 期待と呼ぶには 近すぎた影 踏まないように 歩いたはずなのに コップの底に 昨日の水 触れたら まだ冷たい それだけで 立ち止まる 話さなかった言葉が 床に落ちて 拾わずに またぐ 音もしない 夜は進まず 戻りもしない ただ ここにあって 私も ここにある 朝の手前で 明かりが変わる 気づくほどでもない 小さな差で カーテンの隙間に 薄い線 誰のものでもない時間が 入り込む 約束にはならない 予感だけが まだ使えるかどうかを 確かめている 歩く速さを 少し落として それでも前に こころが先に行く 明日と呼ぶには 早すぎるけれど 今より先に 置いておく