湿ったアスファルト 雨上がりの匂い 駅のホームに響くのは 誰かの足音だけ 君が脱ぎ捨てた 記憶の欠片たちが 街の隅っこで 静かに震えている あの日見た空は もっと高く感じて 僕らは永遠を 信じ込んでいたね 教科書の隅に書いた 名前の跡さえ 今では少しだけ 色褪せて見えた 時計の針が刻む音に 急かされるように 季節は僕らを 追い越してゆくけれど 行き先を失くしたままの この心はまだ あの夏の日を探している 駆け抜けた季節の 青い残像が 胸の奥深くで ずっと疼いているんだ 叫んでも届かない 君の声も 今はただ、愛おしい記憶(メモリー)に変わる 手を伸ばせば触れそうな 幻のような日々を 抱きしめたまま 僕は歩き出すよ 使い古したノート 書きかけのメッセージ 「またね」と言った時の 君の笑顔が浮かぶ 何気ない会話に 費やした時間が こんなにも眩しいものだと 今ならわかるよ 夕暮れのチャイムが 空を染めていく 影は長く伸びて 街を包み込むけど 迷いも後悔も すべて連れて行こう 明日という日が 来ているから 駆け抜けた季節の 青い残像が 涙と一緒に 頬を伝っていく 戻れない場所だと わかっているのに 未完成な僕らの 物語(ストーリー)は続いていく 光の方へ 手を伸ばしてゆけ もしもあの時 別の道を選んでいたら 君の隣で 笑っていたのかな? 答えのない問いを 夜空に投げつけて 叫ぶように 強く いま――! 輝き続けるんだ この痛みさえも 君と過ごした日々が 僕の地図になるから たとえ世界が 色を失っても 胸に刻んだ青は 消えやしない さよなら、愛しい季節。 ありがとう、眩しい記憶。 またどこかで 会える日まで……



