
■ 蟻-アリ- (K2版) Aggressive Ver.ギャグストーリー
■ギャグショートストーリー 俺の名はK3-814。 働きアリだ。 今日も俺たちは、 世界征服に忙しい。 「確認する。 地上は我々が支配している」 隊長が言う。 俺たちは頷く。 何度でも頷く。 なぜならそれは “事実”だからだ。 たぶん。 地上には敵が多い。 人間、同業、気候、 そして——ガム。 「本日の敵、ガム確認!」 「距離3センチ! 粘着力、絶望的!」 仲間のK2が叫ぶ。 数で押すぞ。 俺たちは1000匹で突撃した。 ——結果。 「……92%、戦死」 「え?」 「残りは……引き分け扱い」 ガムに、 引き分けってあるのか? 考える前に、 次の任務だ。 我々の社会は自治制だ。 ニュースもある。 「1chです。本日の殉職者数 276蟻。 産卵数 681蟻、羽化数 5蟻です」 「増えてるのか減ってるのか 分かんねぇな…」 「3Ch、天気予報です。 明日は“踏まれやすい日”です」 嫌すぎる天気だ。 そんなある日、 重大ニュースが流れた。 「特別優遇制度、発動」 選ばれし2割。 “働かない蟻”。 赤紙が届けば、任命だ。 「お前、選ばれたぞ」 俺だった。 「え、俺?」 「優秀らしい」 「何が?」 「分からん」 分からんまま、俺は働かなくなった。 初日は戸惑った。 だが3日で慣れた。 「いや、らくすぎるだろこれ」 働かないって最高じゃないか。 だが、問題が起きた。 暇なのだ。 めちゃくちゃ暇なのだ。 「これ、何すればいいの?」 「考えろ」 考えた。 考えた結果—— 「俺たち、ほんとに支配してる?」 言ってしまった。 空気が止まる。 「……それ言うな」 K2が小声で言う。 「いやだってさ、ガムにすら勝てないし」 「それはガムが強いだけだ」 「いや基準おかしいだろ」 その時だった。 ドンッ。 巨大な影。 人間の足だ。 「回避ィィィ!!」 全員散る。 俺も逃げる。 だが、滑った。 さっきのガムだ。 「ちょ、待っ——」 視界が止まる。 動けない。 終わった。 その瞬間、思った。 俺たちは—— 支配なんてしていない。 ただ、生き残ろうとしてるだけだ。 遠くで仲間の声がする。 「K3ーーー!!」 助けに来てくれるのか? ……いや。 違う。 「そいつ置いてけ! 時間の無駄だ!」 即切り捨てだった。 ああ、なるほどな。 これが俺たちの世界か。 最後に、 俺はつぶやいた。 👉「一匹は皆の為に、 皆は…… “一匹を見捨てる為に”」 その瞬間、 足が降りてきた。 世界は、 静かに終わった。

