
星食らう風(かぐや姫のうた)#和フェス
+ Show full styles
V5
宵更けて 静逸の 雲、風蒼の 庭に 満ち渡れり 銀漢の 涙、湖水に 映れば、月の姫 夢幻と 出でたまふ 竹の 影に 消ゆる 儚き 恋、触れまほしけれど 叶はず 遥かなる 蒼天の 契り、胸を 焼く 細き 指より 零るる 微かなる 光かな 光かな なお 叫びて 応え、雫と なり落つ 心は 揺蕩ひ、帰らぬ 郷を 慕はしむ いまひとたび あの日に 星 食むる 風よ、君を 彼方へと 運びたまへ 夜が 深く 静かに 降りて、風蒼の 庭を 包み込む 銀河の 涙が きらめく 湖に 落ちて その時 月の 姫が、夢のように 現れる 竹の 影で、恋は かすかに 消えていく せめて 声だけでも——そう 願っても 遠い 空の 約束だけが、胸の 奥を 熱くする 細い 指先から、淡く 光る 欠片が こぼれ—— 名前を 呼べば、返事は 雫となり 心は 揺れ続け、二度と 戻れない 場所を 想う もう一度 あの日に 星 食らう 風よ、どうか 君を 連れて行って 静寂に、羽衣まとひて あなたの 姿だけが、心に 焼き付く 願ひを 汀に ゆだねて 竹が そよぎ、迷いと 恐れが 混ざり合う 忘れじの 想ひ、風が 運びゆく 山に 朝靄が 広がりて まだ「さよなら」が 言えない 銀色の 雫が 舞う この 庭で どうか この 夢、覚めざらめ どうか この 夢、醒めないで 夢は 今も、そっと 続けり 時を 超えて、あなたに 会ひたし 時を 超えて、あなたに 会いたい 忘れし 心を、光が つなぐ


