
淡雪の朝 街を白く染めて 置き去りの影が 滲んで消えてゆく 冷たい風が ビルの隙間を抜けて すれ違う人の足音だけが響く 失くした温もりを ポケットで探しても 見つからないまま 今日が始まってゆく 巻き戻せない時計の針を ただ見つめて立ち止まる 残された雪が溶けゆく前に 君の温もりを焼き付けておきたい どれほど深く傷つけ合っても あの日誓った光は消せやしないから 擦り切れた嘘も 幼い過ちも すべてこの街の白に埋もれてく 痛みの数だけ優しくなれたら もう二度と君の手を離さないのに 硝子越しの光が 部屋の隅を照らす 二人のマグカップ 埃を被ったまま 言いかけた言葉は 白く凍りついて 胸の奥底で 静かに沈んでゆく テールランプが 赤く滲む頃 冷えた孤独ごと 連れ去って 粉々に砕け散った夜を越えて 凍てつく風に叫んでも 戻せない時間の中で 僕らは何を探していたのだろう 残された雪がすべて消えても この胸に咲いた痛みは消えない 涙が頬を濡らしたとしても もう一度歩き出すと信じているから 降り積もる白の彼方へ さよなら、愛しい日々よ

