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夏のロケット

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V4.5-ALL

白い雲が ほどけていく 夏がもうすぐ 始まりそうだった 半袖の君が 坂道をのぼる 海風だけが 少し先に行く コンビニのアイス 半分こして 友達みたいに 笑ってしまった 渡されたスプーン 指が触れそうで 今日は少しだけ 痛かった 好きって言葉は 喉の手前で 溶けたソーダみたいに 青くなった 発射台の向こう 光る陽炎 町じゅうが空を 見上げてる 三秒あれば 言えたはずなのに その三秒が 永遠だった 夏のロケットが 青すぎる空へ飛んだ 君の横顔だけ 近すぎて見れなかった 好きって言うだけで 君を失くす気がした 私だけ始まれないまま 夏だけが始まっていた 花火のポスター 駅前に揺れて 昨日より少し 夏になっていた 君が誰かに 手を振るだけで 私の夏が 少し黙った 「暑いね」なんて それしか言えない 本当はずっと 違う言葉だった 君はいつかきっと この町を出る その前にちゃんと 言いたかった 夏のロケットが 青すぎる空へ飛んだ 君の名前だけが 胸の奥で燃えていた 好きって言えたなら 私も飛べていたのかな 君のとなりにいるのに 心だけ宇宙みたいだった 友達のまま 笑える距離が いちばん近くて いちばん遠い ロケットはゼロで 空へ行くのに 私の好きは ゼロになれない 夏のロケットが 遠い空へ消えていく 届かなかった声も 胸の中で燃えている 好きって言えなくても 私は君を好きだった 君のとなりで笑った日々が 私の夏になっていた 私だけ始まれないまま 夏だけが始まっていた 言えないままの好きでも 夏はちゃんと光っていた