
黒板の端に書く—— 主語を「私」から「あなた」へ 「大丈夫?」が重い夜 言葉が空回り 正しさの順序だけ きれいに並べてた 君の今日(きょう)の高さへ 半歩だけしゃがんで ノートの余白に書く 最初の呼びかけを 上手さより **角度(むき)**がいる 声量より 温度の行き先 **拍(はく)**をひとつ 息を合わせれば 沈黙さえも 合図になる 二人称の法則—— 主語を「あなた」に替えるだけで 同じ言葉でも やさしく着地する 「がんばれ」より「ここにいるよ」 心 × エネルギー(エネシン)= 伝わる力 視線の高さで 橋がかかる 丸暗記の挨拶は 体温を落として 「私」が先に立てば 距離だけ増えていく 君の辞書のページで 痛みの名を探し その読みごと 声にして置く 増やすより 削っていい 飾りはいらない 真ん中の温度 主語をひとつ入れ替え 角度を一度 距離のメモリが ひとつ縮む 二人称の法則—— 「つらかったね」を 君の速度で 短い一行が 回路を温める 心 × エネルギー(エネシン)= 灯る回路 声が小さくても 灯りは点く (無音の一拍) 正しさよりも あなたの痛点(いたみ) 触れない距離で そっと守る (無音) 胸のメトロノームが 同じ速さになる 二人称の法則—— ゼロだった式に 灯りが差し込む 角度・温度・拍がそろえば 届かなかった声が 歌へ変わる 「あなた」を主語に ここから話そう 心 × エネルギー(エネシン)= 変わる世界 同じ地図に印をつけて 今、会いに行く チョークの粉が舞う 放課後の光 二人称で書いた行が やわらかく残る

