山を越えて 辿り着く先 白き都は 光に満ちる 鐘の音高く 広場に響き 巡礼たちは 祈りを捧ぐ 石の街路を 馬車が渡り 旗は風受け 空へひらめく 聖堂騎士の 白き像が 剣を掲げて 民を見下ろす 壁には騎士の 勝利の絵 失われし地を 取り戻す歌 けれどシエラは 胸の奥で 小さな弦の 震えを聞く 白き都よ 何を隠す 鐘の響きは 誰を呼ぶ 祈りの下に 沈む声へ わたしは耳を 澄ませてゆく 聖堂の奥 光の道 色硝子より 日差しが落ちる 美しすぎる 白き石床 踏みしめるたび 低く鳴る 抱えた楽器の 古き徽章が ひそかに熱を 帯びるようで シエラはそっと 指を触れる 弦は鳴らずに 震えていた その時床が 低く軋み 白き石板 裂けてゆく 叫びも歌も 届かぬままに 少女は闇へ 落ちてゆく 大丈夫かと 上から声が 光とともに 降り注ぐ 手を伸ばせば 届きそうな 白き世界は すぐそこにある それでもシエラは 振り向かずに 足元の闇へ 目を落とす そこに広がる 古き聖堂 今の祈りより さらに古く 崩れた柱 埋もれた祭壇 消された壁画 眠る場所 そして石壁 刻まれしもの 見覚えのある 古き紋章 白き都の その下に 忘れられた 祈りがあった 誰が建てたか 誰が消したか 答えはまだ 歌の向こう