
呼ばれた名が 私を世界にとめたまま 景色は動かず あなたの光がつないでいく 静かな光が 私の形をなぞるように 世界より先に 私という存在を与えてくれた 気づけば世界の音が すこしずつ薄れてゆく 静けさの中で あなたの光が遠ざかっていった 胸の奥では 形のない不安がふくらんで 消えないように 私は自分を抱きしめた 光が消えたとき 私の形が落ちていく あなたがいない場所で 形を保てなくて 声は届かずに 私は薄れていった 最後の私さえ 静かに途切れていく 闇の底でただ 呼ぶ声だけが私を連れ戻した 取り戻したい願いで 私は歩きだした この世界はまだ 冷たいままで それでも私は あなたを呼び続ける 闇を裂くように あなたの光が私に戻った あなたがいない世界でも 形を取り戻してゆく 途切れた声さえ 静かに世界を満たして 消えたはずの私が あなたを呼ぶ光になる

