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蛍恋(ぽんちゃん2-3)

V5.5

深い森のベンチに 一人で腰掛けて 飛び発つ少し前の “せーの”に耳澄ます 甘く清らかな 流れに揺れる月 指を浸したままで そっと目を閉じる ねえ 逃げないで ここにいるからね ふわふわと 近づいて 淡く照らして 漂う 光が 暗闇に描く 蘇るキオク ふと 握りしめ 揺らめく 光が 指先に止まり この未練ごと いま 連れていく 深い森の入り口 二人でくぐるアーチ 離れる少し前の “ずっと”を思い出す 偽りのない言葉 流れた時のせい 耳に残ったままで 尖る虚石になる ねえ わたしだけ? 誰も知らないって この場所が 特別って まだ信じてて 忘れるためなら 暗闇が隠す 残酷なジジツ 認めてもいい 揺蕩う 光は まるで恋のよう 儚く消えて また 灯ればいい 石段の上で待っていたあなたは 伸ばしたその手 差し出したまま 触れたら 壊れる? 熱い吐息まで やさしく 流れる 涙は この川に堕ちて 呼ぶホタル 飛ぶホタル 今 光る 聞こえる 聞こえる 胸の奥で鳴る 熱を帯びぬまま もう 消えていく…