
[Intro] カチッ カチッ 透明なケースの向こう 今日も同じ横顔 コトン―― ……また、何も変わらない [Verse 1] Capsule Wave 夜の七時 白いライトのいちばん奥 いつからだろう 気づけばいつも あの人はそこに立っている 急ぐわけでもないのに 迷うわけでもないみたいに 百円玉じゃない カードをかざして 静かにハンドルを回してる カチッ カチッ コトン 青いカプセル 「あ、それレアですよ」 誰かが横から声をかけた だけど返した言葉は 「そうですか」 それだけだった [Pre-Chorus] 嬉しくないのかな 欲しくなかったのかな 目も 口も ほんの少しも動かない 透明なカプセルより あの人のほうが 中が見えない [Chorus] この人 笑わない 当たっても 笑わない 欲しかったものかどうかさえ 僕には全然わからない この人 怒らない 外れても 怒らない 胸のどこかに波があるなら どうして何も揺れないんだろう Capsule Wave こんなに明るい場所なのに あの人だけ 音がしない [Verse 2] 次の日も 同じ時間 同じ場所でまた見かけた 黄色 赤 透明 ひとつずつ落ちてくる 二つ同じものが出た 僕なら「あー!」って声が出る でもその人は並べて見て 静かに袋へ入れていた 隣の子が大当たり 飛び跳ねながら笑ってる その人は少し道をあけて 「よかったですね」 それだけだった [Pre-Chorus] 優しい人なのかな 冷たい人なのかな 好きも 嫌いも どこに置いてきたんだろう 人の顔って こんなにも近くにあるのに どうして心は こんなに遠いんだろう [Chorus] この人 笑わない 当たっても 笑わない レアも ダブりも 同じ手で静かに受け取る この人 泣かない 悔しそうにもしない ガラスの向こうを見ているようで 僕には何も届かない Capsule Wave 機械の中ではカプセルが ぶつかって 転がって あんなに騒いでいるのに [Bridge] もしも人にも 透明なケースがあったなら 覗けば少しくらい わかるのかな 嬉しい 寂しい 悔しい 大好き そんな文字が どこかに書いてあるのかな ……いや そんな簡単なら 誰も誰かを 見失わないか [Final Chorus] この人 笑わない 今日もやっぱり笑わない 最後に落ちたひとつを見て しばらく動かなかった 金色の小さなカプセル 僕でも知ってる一番のレア 店員が言った 「おめでとうございます」 あの人は小さく頭を下げて 「ありがとうございます」 それだけ この人 笑わない 最後まで笑わない きっと何が出たって 同じなんだろう 自動ドアが開いて 夜の街へ消えていく 僕はその背中を見ながら 勝手に答えを決めてしまった 「あの人はきっと―― 何も感じない人なんだ」 カチッ カチッ コトン――

