カレンダーをめくる指が止まる あの日、君が話してくれた未来の話 輪郭はぼやけて 雨音に溶けていく 確かなことなんて 何ひとつなかった 思い出そうとするほどに 砂のように指の間を抜けていく ただ、あの部屋の匂いと 少しだけ冷えた空気だけがリアルで すべてはイメージだった気がする 窓辺に脱ぎ捨てられた 絹のランジェリー 淡いピンクが 朝焼けに染まって 触れれば消えてしまいそうな 幻のよう 愛してたなんて 言葉にするのも 今は イメージの中の出来事 クローゼットの隅 忘れられたストラップ 君がいなくなった理由を探すけれど 鏡に映る自分は 少しだけ他人のようで 昨日までの景色が ひどく遠くに感じる 夢と現実の境界線 君の肌の熱さも 震える声も 全部僕が作った 物語? それならいっそ 書き換えてしまえたら すべてはイメージだった気がする 椅子に掛けられたままの 黒いランジェリー 独りよがりな 優しさが透けて 触れることもできずに ただ眺めていた サヨナラなんて 言ったはずなのに まだ イメージの中で揺れている イメージだった気がする 君の影 揺れるカーテン イメージだった気がする 忘れたくない 嘘のような本当のこと……