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第三章 — Tres 因果倶時漆黒灰燼挫蓙 Part II

Symphony  全奏の嵐(荒魂)が三度畳みかけ, 断ち切れて無音, 灰の沈降は弱音の打のみ, 最後に低弦が一本, 心拍の二拍を刻んで残る, 空(間)=嵐と無音の境の一拍, 灰燼の激情 構想:最も暗く激しい, 打楽器が猛威を振るう灰の嵐, 荒魂, 原因と結果が同時に在る, 漆黒, 灰燼——燃え尽きた灰, 私に立ち上がるのは, 最も暗く, 激しい楽章, すべてが燃え, 灰になる, 打楽器(九体)が, ここで猛威を振るう, 漆黒の中の, 灰の嵐, 「醒めない悪夢」に通じる, 荒魂の楽章, 芽吹き 構想:暗がりから一転, 土から赤い花が結ばれ咲く, 弦が大地, 声が芽吹き, 鮮烈な色彩の和音, 今すぐ作れる断片:チェロより上の弦(バイオリン, ヴィオラ)で, 上昇する短い動機, 芽が伸びる「線」, あるいは, 声で「あ」と開く, 最初の母音, 菊理(くくり)——結び, 括る女神, 沃土——肥沃な土, 曼珠沙華——彼岸花, 赤い花, 私に立ち上がるのは, 土から, 赤い花が, 結ばれ, 咲き出る音楽, 第一楽章の暗がりから一転, ここで命が芽吹く, 弦が大地を, 声が芽吹きを担い, 赤い曼珠沙華のような, 鮮烈な色彩の和音が立つ, チェロの, 極めて長く低い持続音, 輪郭の曖昧な, 闇のような最低音, これが, 九楽章全体の「最初の一音」になる, 不知火——暗い海上に, ゆらめく謎の火, 吃水——水に沈む線, 艱難——苦難, 画眉——眉を描く, かすかな造形, 私に立ち上がるのは, 暗闇の中に, 最初の, 不確かな火が灯る音楽, 低い弦の持続音(吃水のような, 沈んだ低音)の上に, 和楽器——おそらく笙——が, ゆらめく不知火のように, おぼろげな和音を浮かべる, まだ形をなさない, 生まれる前の音, 交響曲の幕開けにふさわしい, 原初の暗がり
V5.5