
境界を抜けるそこで世界が少しズレる コンビニの光が孤独の形を変えている レシートの裏に見えない地図が染み込んでいる 意味はないたぶん意味はないまま流れている 誰も気づかないスピードで記憶が錆びていく 交差点の信号が三色のまま揺れてる 体の中で時間がワンフレーム遅れている 言葉が音になる前に意味がすり抜けていく たぶんこれは街ではなく記憶のレイヤーのズレ 団地の窓明かりが散開星団みたいに揺れる 住んでいる人間と見ている天文学者がズレる フラクタルみたいな落ち葉が街の意味をばらしていく 量子もつれという言葉が懐かしく聞こえる夜 サイレンの音がパルサータイミングで世界を刻む 機械のうなりが祈りのように体を通り抜ける 時間が後ろに進む感覚で思考がズレていく 電車の窓に映る自分が少し遅れて見える 境界は外じゃなく中にもあると気づき始める 記憶は記録ではなく流れる水みたいに形を変える 透明な意識が揺れるたびに世界がわずかに直る 境界を歩く(揺れる揺れる) 記憶をほどく(流れる流れる) 灯台を覗く(見えない見えない) 意味は遠く(遠く遠く) 境界を歩く 記憶をほどく 灯台を覗く 意味は遠く

