ああ、今日も 立ってる 隣の家の 死んじゃった おじさん 未練が あるのか 憎しみが あるのか わからないんだ ただ真っすぐ 棒立ち ぼんやりと 口を開けたまま 呆けて 闇の中 わずかに顎が 上がって 僕の部屋を 見てる気が するんだ… ああ、早く消えてくれ ああ、早く何処かへ ああ、どうか どうか 見ないでくれ おじさん おじさん おじさん… 思い出す 昔の記憶 押し付けがましい 善意は 迷惑な限りで 頼んだ覚えのない 世間話 楽しげに ニヤニヤと 元教師だからって ハナシだけれど 何が したいのか 何を 見ているのか わからないんだ ただおぞましい その姿 変わらず あの時のまま 高い背 いかり肩 キシキシと虫の音が響いて おじさんは 顔色ひとつ 変えないんだ… ああ、早く消えてくれ ああ、早く何処かへ ああ、どうか どうか 見ないでくれ おじさん おじさん おじさん… おじさんはずっと いる 息をする度 軋む 呼び声が 頭の中 響いて 響いて 響いて 割れそうなんだ 見たくないのに 聞きたくないのに いる 呼んで いる 勉強 したいのに 僕の現実 くしゃくしゃのノートみたい 何も書き込めやしない ああ、だから 早く… ああ、早く消えてくれ ああ、早く何処かへ ああ、どうか どうか 見ないでくれ おじさん おじさん おじさん… 止まった おじさん 止まった おじさん 止まっちゃった おじさんは 時間の中で    な おじさん