
spoken: 「こんばんは。 今日も、あなたの脳をほんの少しだけ賢くして帰す時間です。 「ねえ、四十代(よんじゅうだい)の人たちって……世間から見ると、もう、大人中(おとなちゅう)の大人って感じですよね。 なんでもわかっていて、落ち着いていて、人生にも慣れている。 そんなふうに見える。 ……でも、ほんとうにそうでしょうか。」 「おおきなちいさなこどもなんじゃないの?」 その小さなこどもの声に、気づけるかどうか。 それが『大人になる』っていうことなのかもしれないな……って、最近思うんです。」 そこから 「おおきなちいさなこどもの物語がはじまります」 「小さなこどもの声を拾わなかったらどうなるかって、 その子の代わりに……『怪獣』が出てきます。」 「怒ったり、拗ねたり、察してほしいと空気を重くしたり。 でも、よく見てみると、 怪獣はただ暴れているわけじゃないんです。 怪獣は、子どもを守るために 暴れています。 誰にも守られなかった、 小さな子どもの代わりに、 前に立っているだけです。 だから怪獣は、敵じゃないんですよ。」 「怖がらずに向き合って、少しずつ信頼関係をつくると、怪獣はだんだん静かになります。 そして、いつのまにか『守護神』になっています。 怪獣が守ってくれているあいだ、 小さな子どもは安心します。 そして、やっと……小さな声で話しはじめます。 『ねえ、ほんとはね……トイレに行きたいんだ』」 「その声はとても小さい。でも、とても正直。 そんな声を聞ける場所には、 条件があります。 『養分』があることです。 無理に励ますわけでもなく、コントロールするわけでもなく。 ただそこにいる人がいてムギュがある 放っておいてくれる自由もある。 そんな場所では、怪獣はあまり出てきません。 出てきても、すぐに静かになります。 だって怪獣は、『ムギュ』が足りないときに働く守り手だから。」 「養分のある人は、苦難のときでも自分のことを憐れみません。 腹の奥に力が入り、 ただ静かに立っています。 自分を憐れむことほど、 滑稽なことはない。と知っています。 それは、自分の魂への 最大の嘘なのだから。 だから ときどき怪獣と友だちになればいい。 そうすれば、 小さな子どもは安心して また小さな声で話しはじめるからです。 今夜も あなたの脳を、ほんの少しだけあなたの怪獣にもムギュできるくらい賢くしてお返ししました。 それでは おやすみなさい

