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平等寺(びょうどうじ) ー 違う歩幅で、同じ一拍へ

平等寺(びょうどうじ) ― 違(ちが)う歩幅(ほはば)で、同(おな)じ一拍(いっぱく)へ 【Water Drop Intro】 (ひと粒(つぶ)の水音(みずおと)) 【Singer A/Beat 1】 私(わたし)は 一拍目(いっぱくめ)から 走(はし)り出(だ)す 【Singer B/Late Entry】 私(わたし)は 少(すこ)し遅(おく)れて 息(いき)を吸(す)う 【Duo】 始(はじ)まる場所(ばしょ)が 違(ちが)っても この歌(うた)は きっと 同(おな)じ光(ひかり)へ 向(む)かってる 【STEP 1 ― White Water】 弘仁五年(こうにんごねん) 八百十四年(はっぴゃくじゅうよねん) 空海(くうかい)は この里(さと)で 百日(ひゃくにち)の炎(ほのお)を 見(み)つめたという 護摩(ごま)の煙(けむり) 夜明(よあ)けの山(やま) まだ名前(なまえ)のない 祈(いの)りの場所(ばしょ) 土(つち)を掘(ほ)れば 湧(わ)き出(だ)した 乳白色(にゅうはくしょく)の 不思議(ふしぎ)な水(みず) 白水山(はくすいざん) その名(な)に残(のこ)る ひとすじの記憶(きおく) 人(ひと)の心(こころ)も 人(ひと)の体(からだ)も 分(わ)け隔(へだ)てなく 癒(いや)したい その誓(ちか)いから 生(う)まれた名前(なまえ) 平等寺(びょうどうじ) 【Shared Downbeat 1】 【Singer A】 速(はや)い鼓動(こどう)も 【Singer B】 ゆっくりな呼吸(こきゅう)も 【Duo】 ひとつの空(そら)に 響(ひび)いてる 同(おな)じにならなくていい 違(ちが)うままで つながればいい 【STEP 2 ― Seventy-One Stairs】 山門前(さんもんまえ) 十三段(じゅうさんだん) 門(もん)を越(こ)えて もう五段(ごだん) 本堂(ほんどう)へ続(つづ)く 五十三段(ごじゅうさんだん) ひとつ ふたつ 数(かぞ)えるたびに 今日(きょう)の足(あし)が 少(すこ)し重(おも)くなる 誰(だれ)かは 軽(かる)く駆(か)け上(あ)がり 誰(だれ)かは 途中(とちゅう)で立(た)ち止(ど)まる 誰(だれ)かは 階段(かいだん)を上(のぼ)らない それでも山門(さんもん)まで 伸(の)びてくる 薬師如来(やくしにょらい)の手(て)から 五色(ごしき)の綱(つな) 赤(あか) 青(あお) 黄(き) 白(しろ) 黒(くろ) 遠(とお)くにいても 握(にぎ)ることができる 上(のぼ)れないことは 届(とど)かないことじゃない 違(ちが)う場所(ばしょ)からでも 結(むす)べる願(ねが)いがある 【Piano Stairs】 (明(あか)るいピアノが 十三音(じゅうさんおん)) (短(みじか)い休符(きゅうふ)) (五音(ごおん)) (長(なが)い休符(きゅうふ)) (ギターとドラムが 五十三段目(ごじゅうさんだんめ)で入(はい)る) 【STEP 3 ― The Box Cart】 寺(てら)に伝(つた)わる 親子(おやこ)の物語(ものがたり) 大正十年(たいしょうじゅうねん) 三十一歳(さんじゅういっさい)の 筒井林之助(つついりんのすけ) 歩(ある)く力(ちから)を 失(うしな)っていった息子(むすこ) 父(ちち)の福次(ふくじ)は 鍛冶(かじ)の手(て)で 三(みっ)つの車輪(しゃりん)を持(も)つ 箱車(はこぐるま)を作(つく)った 息子(むすこ)を乗(の)せて 第三十五番(だいさんじゅうごばん) 清瀧寺(きよたきじ)から 二人(ふたり)の遍路(へんろ)が 始(はじ)まった 押(お)す日(ひ) 引(ひ)く日(ひ) 雨(あめ)の坂道(さかみち) 車輪(しゃりん)が石(いし)に 止(と)められる夜(よる) それでも父(ちち)は 道(みち)を終(お)わらせなかった それでも息子(むすこ)は 願(ねが)いを手放(てばな)さなかった 大正十二年(たいしょうじゅうにねん) 十月(じゅうがつ) 平等寺(びょうどうじ)に着(つ)いた二人(ふたり) 四週間(よんしゅうかん) この寺(てら)にとどまり 弘法(こうぼう)の霊水(れいすい)を飲(の)み 谷口津梁(たにぐちしんりょう)の 祈(いの)りを受(う)けた やがて林之助(りんのすけ)は 金剛杖(こんごうづえ)を支(ささ)えに 立(た)ち上(あ)がれるまで 回復(かいふく)したと伝(つた)わる 残(のこ)された箱車(はこぐるま)は 奇跡(きせき)を競(きそ)うためじゃない 二人(ふたり)が希望(きぼう)を 置(お)いていかなかった その時間(じかん)を 今(いま)へ運(はこ)んでいる 【Unequal Piano Rest】 【Singer A】 すぐ立(た)てる日(ひ)もある (短(みじか)い休符(きゅうふ)) 【Singer B】 まだ立(た)てない日(ひ)もある (長(なが)い休符(きゅうふ)) 【Singer A】 前(まえ)へ進(すす)める日(ひ)もある (短(みじか)い休符(きゅうふ)) 【Singer B】 休(やす)むことしか できない日(ひ)もある (いちばん長(なが)い休符(きゅうふ)) 【Duo】 休(やす)んだ時間(じかん)も 私(わたし)の道(みち) 【STEP 4 ― Different Speeds】 体育(たいいく)の授業(じゅぎょう) 同(おな)じ線(せん)から 走(はし)り出(だ)して 順位(じゅんい)の数字(すうじ)に 名前(なまえ)を並(なら)べた 答案(とうあん)を返(かえ)されて 友達(ともだち)の点数(てんすう)を 横目(よこめ)で見(み)た 同(おな)じ制服(せいふく) 同(おな)じ教室(きょうしつ) なのに 心(こころ)の速(はや)さは違(ちが)う 笑(わら)える日(ひ) 返事(へんじ)ができない日(ひ) 大勢(おおぜい)の中(なか)へ 飛(と)び込(こ)める日(ひ) ひとりの席(せき)で 窓(まど)を見(み)たい日(ひ) 先(さき)に着(つ)くことだけを 正解(せいかい)にしたら 私(わたし)の今日(きょう)は いつも遅刻(ちこく)になる だから 速(はや)さじゃなく 手放(てばな)さなかった 一歩(いっぽ)を数(かぞ)えたい 【Shared Downbeat 2】 【Singer B】 遅(おそ)い鼓動(こどう)も 【Singer A】 駆(か)け出(だ)す勇気(ゆうき)も 【Duo】 ひとつの歌(うた)に 重(かさ)なってる 同(おな)じ形(かたち)じゃなくていい 違(ちが)う歩幅(ほはば)で 同(おな)じ一拍(いっぱく)へ 【Piano House × Guitar Break】 (Singer Aのメロディーは一拍目(いっぱくめ)) (Singer Bのメロディーは三拍目(さんぱくめ)) (別々(べつべつ)のフレーズが 少(すこ)しずつ近(ちか)づく) (最後(さいご)の一拍(いっぱく)で バンド全員(ぜんいん)が重(かさ)なる) 【STEP 5 ― Final Chorus】 立(た)ち上(あ)がる速(はや)さは みんな違(ちが)う 歩(ある)いてゆく道(みち)も みんな違(ちが)う 誰(だれ)かの一歩(いっぽ)を 小(ちい)さいなんて言(い)わないで 今日(きょう)を生(い)きたことが もう確(たし)かな一歩(いっぽ) 階段(かいだん)を 上(のぼ)れる人(ひとも) 山門(さんもん)で 綱(つな)を握(にぎ)る人(ひと)も 願(ねが)う心(こころ)に 順番(じゅんばん)はない 平等寺(びょうどうじ) 違(ちが)う私(わたし)たちを 同(おな)じにするのではなく 違(ちが)う私(わたし)たちを 同(おな)じ光(ひかり)で照(て)らして 速(はや)い声(こえ)と 遅(おそ)い声(こえ) 強(つよ)い声(こえ)と 震(ふる)える声(こえ) 別々(べつべつ)の拍(はく)から 歌(うた)い始(はじ)めても ここで出会(であ)える 違(ちが)う歩幅(ほはば)で 同(おな)じ一拍(いっぱく)へ 白水山(はくすいざん)から 湧(わ)く水(みず)のように 止(と)まった時間(じかん)の その奥(おく)から 新(あたら)しい今日(きょう)が 静(しず)かに湧(わ)いてくる 急(いそ)がなくていい 比(くら)べなくていい 次(つぎ)の一歩(いっぽ)は 私(わたし)の速(はや)さで 【Water Chord Ending】 (ひと粒(つぶ)の水音(みずおと)) (明(あか)るく温(あたた)かな ピアノの和音(わおん)) 【Duo/Unison】 同(おな)じ一拍(いっぱく)へ。