履き慣れない靴の音が アスファルトに響く 重くなったカバンの中 詰め込んだのは理想か、それとも 夕暮れに染まる街並み 帰り道はいつもより長くて スーツのシワに刻まれた 今日という日の疲れを数える 「これでいいのかな」 呟きは風に消えて 追い越していく誰かの背中 焦りだけが胸を叩く 正解なんてどこにもない 分かっているはずなのに 足元ばかり見て歩く 僕の影が伸びていく ひらり 舞い落ちる桜は 今日を戦った君への喝采 立ち止まってもいい 迷ってもいい その一歩は無駄じゃないから 茜色の空の下 ピンクに染まるこの轍(わだち) 君が歩んできた証を 春の風がそっと抱きしめる 小さなミスを繰り返して 何度も頭を下げた 「すみません」の言葉ばかり 上手くなっていく気がして 窓に映る自分の顔 少しだけ頼りないけれど それでも投げ出さなかった その強さを誰が笑えるだろう 正解なんて作ればいい 不器用な歩幅でいい 見上げた枝の先には まだ蕾が明日を待っている ひらり 舞い落ちる桜は 明日を夢見る君へのエール 完璧じゃなくていい 不揃いでいい その心が美しいから 茜色の空の下 ピンクに染まるこの轍(わだち) 君が選んだこの道を 春の光が照らし出す 散りゆく花は 終わりじゃなくて 次の季節へ繋ぐための 優しい準備なんだ 涙を拭ったその指先に ひとひらの勇気が宿る ひらり 舞い落ちる桜は 今日を戦った君への喝采 立ち止まってもいい 迷ってもいい その一歩は無駄じゃないから 茜色の空の下 ピンクに染まるこの轍(わだち) 君が歩んできた証を 春の風がずっと見守っている また明日も、この道を歩こう 桜の轍を、一歩ずつ。



