
崩れ落ちた玉座 月の光も届かぬ夜 ビロードのドレスを引き摺り 彼女は微笑む その瞳はルビーより深く 毒を孕んだ蜜の味 ひとたび視線が絡まれば 魂ごと囚われる 指先でなぞる ガラスの堕天使 満たされているのは 芳醇な薔薇の雫か それとも跪く 騎士達の嘆きか 「ねえ、永遠が欲しいの?」 囁く声は 絹の糸のように首筋を這う 抗えない魔力の香りに 理性が溶けてゆく 紅の支配者よ 甘美な破滅の眼差しよ その紅蓮の唇で 絶望を口づけて 茨の冠を戴き 闇の最果てで踊る 美しき残酷(ノワール) あなたは孤独な焔(ほのお) 世界が灰に帰るまで その手は離さない 漆黒の髪をなびかせ 鏡の中を歩く 過去も未来も 彼女にとってはただの遊戯(あそび) 背中には見えない黒い翼 広げるたび風が止まる 足元にすがる亡霊さえ 愛おしそうに撫でる指 夜が明けることなど 彼女は望まない 太陽を拒絶し 深紅のカーテンを閉ざす 「愛なんて、一瞬のまやかしでしょう?」 冷たい指先が 心臓を貫く 紅の支配者よ 愛を語るその吐息を その紅蓮の唇で 絶望を口づけて 茨の冠を戴き 闇の最果てで踊る 美しき残酷(ノワール) あなたは孤独な焔(ほのお) 世界が灰に帰るまで その手は離さない 「さあ、おやすみなさい…私の愛しい生贄(ひと)」 耳もとで永遠を囁く… 緋色の月が沈み 残されたのは ひとひらの赤い花弁(はなびら) Queen Crimson... 永遠に、鳴り止まない靴音

