
静粛に、静粛に ただいまより開廷する 被告人は星盗人 罪状、夜空を盗んだこと 月の証人は青ざめて 雲の陪審はざわめいた 検事は黒い杖を鳴らし 罪の数だけ鐘が鳴る 昨夜、十二時十三分 町から星が消えました 被告よ、何を企んだ さあ、この場で答えなさい 盗んだことは認めましょう けれど私欲ではありません 光を知らずに眠る子へ 一粒だけ届けたのです 嘘だ、嘘だと鳥が鳴く 異議あり、異議あり、風が吹く 正義の仮面を被るほど 誰かの事情は見えなくなる 裁け、裁け、星盗人 夜の掟を破る者 裁け、裁け、それならば 光を隠した罪は誰? 天に輝く宝石を 誰の許しで分けるのか 正義の槌を振り下ろす その手は本当に白いのか 次の証人、少女が立つ 胸に小さな瓶を抱いて 中には淡い星明かり 法廷すべてを照らし出す 私は夜が怖かった 明日が来るのも怖かった だけどこの星が囁いた 暗闇は終わりじゃないのだと 検事の杖が床に落ち 雲の陪審は目を伏せる 裁判長だけ高らかに なおも判決を読み上げる 一つは孤独な窓辺へ 一つは涙の枕元 一つは名もなき路地裏へ 盗んだ星はもう空にない けれど見よ、町の灯りを 一人に一つ、輝いている 夜空は少し寂しくなって 世界は少し明るくなった 裁け、裁け、星盗人 優しい罪を犯す者 裁け、裁け、その前に 光を独占した者を 正しさだけで量れない 心がこの世にはある 判決の槌が落ちる前に 少女の星が朝を呼ぶ 静粛に、静粛に 法廷の窓が開いていく 被告人はもういない 椅子には星屑、ただ一つ 判決は、無罪か有罪か 今宵、あなたが決めればいい

