
信じたものを、誰に何と言われても追い続ける人がいる。 その人たちの背中を見るたび、俺は尊敬する。 でも同時に、声が返ってくる。 じゃあ、お前は今、何をしている? 海の色をした目が、夕暮れの中で淡く揺れている。 懐かしさを含んだ青は、まだ若く、まだ濡れていて、それでも春の薄い光に触れている。 言葉を何度も噛み締める。飲み込めない。止まらない。 それは波のように目の奥で揺れている。 こだまだろうか。 分からない。 まるで自分が海に沈んだみたいだった。 津波の後、世界が止まったような時間があった。 理由も名前もつけられない切なさだけが残っていた。 止まったテレビから、同じ音が何度も何度も流れていた。 優しいはずの言葉が、静かな部屋の中で繰り返し響いていた。 こだまでしょうか。 そうか。 誰でも、なのかもしれない。 君の心に積もった雪は、ゆっくり溶けていく。 すぐに春になるわけじゃない。 溶かすには、温かい心だけでも足りない。差し伸べる手だけでも足りない。 その二つの間に、ちょうどいい距離と温度が必要なんだと思う。 大切なものを失うと、人は二つの道を知る。 悲しみは狂気に変わる。 そして、何も見ない平和は盲目になる。 怒りのまま戦っても、そこに意味は残らない。 それでも、信じることには限界がないのだと思いたい。 まだまだこれからだ。 そう言い続けてきた。 けれど本当は、いつもマイナスからだった。 過去にとらわれて腐った日もある。 狂気みたいな熱だけが必要に見えた時もある。 安っぽい祝福なんていらなかった。 父さん、母さん。 今年は俺の人生の一日目だ。 二十四時間。 二十四歳になる俺は、まだここから始める。 昔の俺は、自由を履き違えていた。 好き勝手に飛ぶことが自由だと思っていた。 でも今は少し分かる。 大志を抱いて飛び立つ小鳥でさえ、この大空の一部でしかない。 名前に小さな名をつけても、異常で鋭くあろうとしても、大切なのは今やることを見据える精神だ。 人は俺をやばいと言う。 dopeだと言う。 それはありがたい。 けれど、それは売り文句じゃない。 俺はヤバさを売っているわけじゃない。 称賛のために自分を切り売りしているわけでもない。 でも、愛なら届けられる。 君のために、この言葉を愛で満たすことはできる。 褒め言葉も、返ってきた声も、今なら素直に受け取れる。 それは次につながる。 君こそが希望だから。 その声を、魂の奥まで届かせたい。 たぶん俺も君も、不器用だ。 それでも心は透き通っている。 誰もが違う色を持ち、それぞれの物語の主人公だ。 ありきたりな言葉は嫌いだ。 でも、本当にそう思うなら、ありきたりでも言う。 後ろは見なくていい。 過去は消えない。 けれど、もう過去に沈まなくていい。 過去は静かに背中を押す。 まるで、言葉を支えるbeatのように。 もう一度、海の色をした目が揺れている。 懐かしい青。 波のような涙。 春の薄暮に触れる、まだ若い光。 こだまでしょうか。 分からなかった。 ずっと、海に沈んでいるような気がしていた。 でも今は少し分かる。 これは、こだまだ。 誰かの言葉が返ってきた音だ。 俺が投げた声が、君の中で響き、また俺へ戻ってきた音だ。 だから、たぶん俺はもう海に沈まない。 この反響が、俺を前へ進ませている。

