湯気の向こうで たくさんの笑顔 今日あったことを投げ合う音 長方形のダイニングテーブル 平凡な食卓で 世界は満ちていた くだらないことで 火花散らした夜もあった ケンカできる距離が 永遠じゃないことを 今は知る あなたが作ってくれた食卓は 落ち込んで帰った夜も あたたかくて お腹の底から「まだやれるさ」と 力が湧いてきたんだ 今でも思い出すよ 嫌いと言ったのに 刻まれて入ってた あの野菜たちを 限りある現実で 今はもう別の姿になってしまったひと ダイニングテーブルは昔のまんまなのに 空いた席が 増えていく ふれられない“そばにいる”が そこにいる気がして 変わらない長方形を眺めて 永遠の意味を知る あったかい記憶が 胸の奥でまだ湯気を立ててる 笑い声の残響が 静かな部屋をそっと撫でていく もういないと知ってるのに 思い出は今日も席をひとつ またひとつ 埋めてく 「ここにいるよ」 食べ物の好き嫌いが多い人は 人の好き嫌いも多いってさ ぼくはあなたのおかげで 人付き合いに苦労したことなんてない なんでも美味しく食べれるから 嫌いだった野菜だって食べれるよ もう一度…もう一度… あの湯気の中で あなたと ご飯を食べたい あなたの作ってくれた食卓は 落ち込んで帰った夜も あたたかくて お腹の底から「まだやれるさ」と 力が湧いてきたんだ 今日も思い出すよ 動かなくなってきた体を隠しながら 作ってくれた 「おふくろの味」 変わらない食卓が 過去と今をつなぎ続けてる 空いた席の向こう側で 笑い声がまだ揺れてる 命は形を変えても 愛は消えないまま 今日もここで 思い出がひとつ息をしてる 今日も抱きしめるんだ あなたが残した ぼくの体の中の 永遠を



