
幸せは 体の大きさじゃないと 1cmになった世界で気づいた 葉の影ひとつが、屋根になり 風のざわめきが、歌になった 足りないものは 風景のせいじゃなく 心の向け方だったんだ 人はいつも “もっと大きく” と願った 家も、声も、力も、未来さえも 周りを押し広げれば 不安が薄れると思っていた だけど、大きくしたい気持ちは いつのまにか 欲の影となり 他人の世界を奪う刃に変わった その鋭さに 誰も気づかなかった 幸せは重さを持たない 指先に乗るくらい 軽いのに 欲望だけが 巨大で いつもバランスを崩してしまう 幸せって 大きさじゃなかった 心の持ちようが 決めていた 小さくても笑えた日々が 本当は 一番豊かだった 周りを大きくしようとした心こそ 人間の欠陥だったと知った でも その欠陥があるからこそ 僕らは “優しさ” を学べた 不完全なままで 光に変われるように なぜ 欠陥を与えられたのだろう なぜ “もっと” を求める作りにされたのか それはきっと 小ささを恥じないためじゃなく 弱さの意味を知るためだ 不完全を抱えた種だから 誰かの痛みを見失わない 心を大きくするのではなく 心を深くするために 欠陥は 最初から仕込まれていた 満たされないことが 誰かを思う力になり 足りない気持ちが 優しく触れる手をつくる 欠けていることは 本当は贈り物だった 幸せは 自分の外に置けない 探すほど遠ざかるから 小さな胸の内に灯した ひと粒の温度を抱きしめて 欠陥を責めるのではなく 欠陥と生きる理由を知る 不完全な僕らだから 誰かを照らせる そんな矛盾が 人間の奇跡なんだ もし 完璧な心を持っていたら きっと こんなに迷えなかった もし 欠陥のない体なら 誰の痛みも 触れずに生きただろう 欠けた場所が 優しさの入り口になる その仕組みを 神様はどこかで知っていたのかな 幸せって 大きさじゃなかった 心の向ける方向だけだった 欠陥は呪いじゃなく 僕らを人間にする証 求めすぎて傷ついて 傷ついたぶん優しくなる そんな循環を刻めるのは 不完全に生まれた僕らだけ 欠陥のままで 光になる旅を続けよう 小さくなれば 見える景色があった 欠陥があれば 見える心があった 幸せはただ “持ちよう” という名の 静かな真実だった

