
11マンガどころじゃない〜ギャルじゃないとダメですか?〜
【Aメロ】 隣の部屋に ベッドが運び込まれてる ソファ テーブル 大きな箱 「あれ?」 「衣装部屋じゃなかったの?」 「いやー 先生が同じアパートに住んでるって言ったら なんか事務所から そっちに引っ越しちゃいなさいって言われちゃってー」 へー。そうなんだ そのとき ガチャ ドアが開いて先生が顔を出す (先生)「最初からそのつもりだったでしょ」 (副部長)「いやー、違いますよ」 (先生)「まあ、賑やかになっていいか」 引っ越しの片付けも 終わらないまま 事務所から迎えが来て (副部長)「じゃ、行ってきまーす!」 (先生)「あら やっぱ忙しいのね」 先生と僕は 顔を見合わせた 【Bメロ】 隣に引っ越してくる そう思っていたのに 次の日も その次の日も 帰ってこない。 仕事が立て続けに 入ったらしい 学校にも 来ていない 部室で僕は ひとりムスッとしている 「…………」 別に 待ってるわけじゃない ……けど 「あれ?」 「あれ……?」 なんなんだ この感じ。 【Cメロ】 ガチャ 「ああーーー 終わったーーー!」 「副部長!」 「疲れたー!」 お疲れ様ー。 ……それだけ。 本当は ちょっと嬉しい。 でも そんなこと言えるわけない。 先生がニヤニヤしながら 「あーら 副部長、お帰りなさい」 そして副部長に 小声で 「部長 ヤキモキしてたわよ」 何こそこそ話してるんだよ! 「え? なにー?」 「なんでもない!」 【Aメロ2】 そのとき ガチャ 見知らぬ女子生徒が ひとり入ってきた 「あのー…… マンガ研究会ですよね?」 「はい?」 「あのー…… 入部したいんですけど」 「おお!」 「やっぱり…… ギャルじゃないとダメですか?」 「えっとー……」 先生が その手元を見る 「あら?」 「それ、マンガの原稿?」 「ちょっと見せて! 見せて見せて!」 「えっ、はい……」 ギャルたちが 顔を見合わせる 「わー……」 「マジな人が来ちゃった」 「どういう意味だよ!」 【Bメロ】 「ギャルじゃないと 入れないって聞いたんですけど……」 「いやいやいや!」 副部長が 慌てて手を振る 「変な噂になってるのね」 「私のせいかも……」 「全然だいじょうぶ!」 ギャルたちが 一斉に笑う 「マンガ好きなら 大歓迎だよ!」 先生も 原稿を覗き込みながら 「これは面白そうね」 僕は その光景を見ている 【ラスサビ】 いつの間にか ギャルの溜まり場になって いつの間にか 副部長が隣に引っ越して いつの間にか 知らない子までやってきた 僕の部屋も 学校の部室も どんどん 賑やかになっていく 「部長! 次の新刊持ってきて!」 「はいはい……」 「先生、これ見て!」 「ちょっと待って 順番に見せて!」 「あの…… 私もここにいていいですか?」 「もちろん!」 僕は みんなを見渡して 「うーん……」 これはもう マンガどころじゃない って 言ってる場合じゃないかも。

